スーパーのお総菜コーナーには必ずといっていいほどコロッケが並んでいます。
そして同じくらいよく見るのがメンチカツ。
しかし他のスーパーではミンチカツという名前で売られていました。
似たような見た目のみっつのお惣菜、これらの違いはいったいどこにあるのでしょう。
この記事では、「メンチカツ」と「ミンチカツ」と「コロッケ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「メンチカツ」とは?
メンチカツとは簡単に言うとハンバーグに衣をつけて揚げたものです。
牛や豚などのひき肉にみじん切りにした玉ねぎと塩コショウを加えよく混ぜ、小判型に成形したあと小麦粉、卵、パン粉をつけて油で揚げれば出来上がりです。
明治時代に東京浅草のとある洋食店で出されたのがはじまりで、そこから関西へと伝わったとされています。
最初は「ミンスミートカツレツ」という名前でした。
そこから名を変え、今のメンチカツになったのです。
「ミンチカツ」とは?
実はメンチカツとミンチカツそのものに違いはまったくありません。
材料や作り方もすべて同じです。
しかし生まれた時期と場所が異なるのです。
「ミンチカツ」が生まれたのは「メンチカツ」が東京で生まれた明治時代よりあとの昭和になってから。
兵庫のとある洋食屋が、東京の洋食屋で出されていた「ミンチボール(今で言うミートボールのこと)」を参考に作ったのがミンチカツとされています。
ミンチ肉で作るからそのままミンチカツと呼ばれるようになりました。
関東と関西で別々に開発されたおなじ作り方の揚げ物が、たまたま一文字違いの名前をつけられるなんてすごい偶然です。
大阪を中心とする地域では今でもミンチカツと呼ばれることが多いそうです。
「コロッケ」とは?
コロッケはひき肉を使うこともありますがメンチカツ、ミンチカツのように材料が固定されているわけではありません。
じゃがいもとひき肉、玉ねぎなどを使ったタネに衣をつけて揚げたオーソドックスなポテトコロッケもあれば、カニやエビなどの魚介類とベシャメルソースを使って作ったクリームコロッケもあります。
さつもいもやかぼちゃのコロッケも存在します。
メンチカツなどよりかなり自由度が高い料理と言えるでしょう。
コロッケはカレーライス、トンカツと並んで「大正の三大洋食」と言われ、大正末期から昭和初期にかけて洋食が大衆化した時代に都市部の日本人を中心に広まっていきました。
近畿地方でメンチカツという名前が使われない理由
近畿地方ではひき肉のことをミンチ肉と呼ぶことが多く、メンチカツよりはミンチカツの方がなじみがあるのでそのままミンチカツと呼ばれています。
それとは別に方言で「メンチを切る(にらみつける)」という意味の言葉が近畿地方にはあるので問題を避けるために使われない、なんて説もありますが、これは冗談で作られた話のようです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回調べてみて、同じような料理でも生まれたプロセスで名前が変わってくることもあるということがわかりました。
身近なお惣菜もそれぞれ長い長いストーリーを持っています。
スーパーでお総菜コーナーに立ち寄った時、ふとそういう視点で見てみるとまた新しい発見があって面白いかもしれません。