この記事では、「格納」と「保管」と「保存」の違いを分かりやすく説明していきます。
「格納」とは?
一定の閉じられた空間に機械などを納めることを指す言葉で、格納庫などのように、格納される側が自由に移動できるものも指しますが、飛行機の車輪の格納、車体の中にライトを格納するリトラクタブルライト、電車などの幌の格納など、本体と格納される部分がつながっているケースも格納といいます。
原子炉格納容器という言葉もあり、格納される側はエネルギーを発生したり、何らかの機構を持って動くものを指している言葉と言えます。
パソコン上の言葉ではファイルを収納するではなく、格納するといいますがファイル自体の役割を見てのものと言えるでしょう。
「保管」とは?
品物を預かって、傷つけたり紛失しないように保存・管理することと定義された言葉で、文書管理における定義では紛失を防ぎつつその文書の活用を前提として取り扱いをしやすくしたものとされ、キャビネットにしまうことなどを指します。
忘れ物の保管という言葉でも取り出しやすさが必要なためこの意味に近いものがあるでしょう。
流通における保管は、生産と販売との時間の隔たり解消する需給の調整機能を指しています。
保管するものに応じて冷蔵することもあります。
「保存」とは?
そのままの状態を保っておくことという意味があり、文化財の保存、重要文書、鉄道車両の保存などの使い方があります。
こちらには修復やメンテナンスを行うという意味合いも含まれており、取り扱いのしやすさはそれほど前提とはされていません。
また、食べ物を傷まないように冷蔵庫に保存するという使い方もあり、こちらは冷蔵によって傷みの進行を抑えていると言えるでしょう。
パソコンではファイルを保存するという言葉があり、新たな情報を追加すること、電源を消したあとでも再びそのデータが使えるようにすることなどの意味があり、新たなファイルとして保存する新規保存と一つのファイルに追加し続ける上書き保存があります。
文書管理においての保存は利用頻度の低いものを倉庫などに収納することを指します。
「格納」と「保管」と「保存」の違い
「格納」は機械など機構を持ったものを収納することを指すことが多く、格納される側とする側が構造的につながっている場合もあります。
パソコンのファイルをフォルダーに入れることも格納といいます。
「保管」は格納と異なり、機構を持たないものを収納することを指し、傷んだり紛失しないように管理しつつ、扱いやすい位置に保存することとされており、格納と違って機械的なものよりは文書などを収納する言葉となります。
保存はそのままの状態を保つという意味が含まれており、格納や保管と異なり、冷蔵やメンテナンスなど維持に必要なことを行うことも含まれます。
まとめ
格納は機構を持ち形態が変化するものの収納、保管は文書などを扱いやすく収納、保存は古いものを維持したり、野菜などを傷まないように冷蔵庫に入れることなどを指します。
パソコン上では格納と保存という言葉が使われますが、元の意味合いをある程度保っています。