この記事では、「呼吸」と「換気」の違いを分かりやすく説明していきます。
「呼吸」とは?
「呼吸」【こきゅう】とは、体内へ酸素を取り込んで二酸化炭素を体外へ排出する一連の動きのことです。
生物は生命を維持に必要なエネルギーを産生するため、体外から取り込んだ酸素を使って細胞で代謝をおこなっています。
また、その際に二酸化炭素が生じます。
生物はエネルギー産生に必要な酸素を取り込むために空気を吸い込み、体内で生じた不要な二酸化炭素を吐き出す、この一連の動作を繰り返しているのです。
たとえば、動物の場合は鼻や口などから空気を吸い込み、口から気道、気管を通って肺、心臓へ送られた酸素が血液と一緒に全身を循環します。
その際、細胞から回収した二酸化炭素が血液を介して肺へ送られ、吐く息と共に体外へ排出されていきます。
また、植物に心肺や血管はありませんが同様に「呼吸」をしています。
植物は、日中は光合成をおこなうので呼吸はしませんが、夜間は呼吸によって酸素を取り込み二酸化炭素を排出しています。
「換気」とは?
「換気」【かんき】は、建物などの内部の環境を改善するため、内部の空気を追い出して外部の新しい空気を取り込むことです。
「換気」の方法はさまざまですが、大きく分けて「自然換気」と「機械換気」があります。
「自然換気」は、窓や排気口などを介して外気と内部の空気を入れ換える方法、「機械換気」は換気システムなどの機械によって強制的に空気を入れ換える方法です。
「換気」を十分におこなわないと空間の空気が汚染された状態になり、人体の健康、建物、機械などに影響を及ぼす可能性が出てきます。
そのため、適切に「換気」することが必要です。
また、生物が「呼吸」をする際、血液が全身を循環して回収した二酸化酸素を肺に排出することを「換気」といいます。
「呼吸」と「換気」の違い
「呼吸」と「換気」の違いを分かりやすく解説します。
これらは古い空気と新しい空気を入れ換える動作を表している点が共通しています。
ただし、意味は少し異なります。
「呼吸」は生物が酸素を体内に取り込んでエネルギーを産生し、その際に発生した二酸化炭素を体外へ排出する一連の動きのことです。
「換気」はある空間の内部の空気と外部の空気を入れ換えることです。
また「換気」は「呼吸」をする際に血液中の二酸化炭素を肺に排出することを指します。
「呼吸」は生物に対して使われる用語ですが、「換気」は生物以外の環境に対しても使われるところが異なります。
「呼吸」の例文
・『緊張のせいで呼吸が浅くなる』
・『呼吸によって取り込んだ酸素は、細胞でエネルギーを産生する際に使われる』
「換気」の例文
・『洗剤を使って掃除する際は、部屋を十分に喚起する必要がある』
・『血液中の二酸化炭素を肺胞に排出して外へ吐き出すことを換気という』
まとめ
「呼吸」は生物のみにみられる現象です。
「換気」は部屋の空気の入れ替えなど環境の改善に用いられるところが「呼吸」と異なります。