この記事では、「あわ」と「きび」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あわ」とは?
「粟(あわ)」は、古代から米の代わりに主食として食べられていた粒の小さな雑穀です。
イネ科エコログサ属の草本植物で、穂の部分から収穫した実を雑穀として食用にしています。
「あわ」にはさまざまな種類があり、穂の大きさ、粘り気の強さ、色などで分類されます。
たとえば、粘り気の多い「もちあわ」と栽培して米と一緒に食べることの多い「うるちあわ」、白あわ、木あわ、赤あわなどが挙げられます。
「あわ」はかつて盛んに栽培されていましたが、米が主食となり生産量は減っています。
現在の主な用途は、米に混ぜて炊く雑穀、「あわおこし」など菓子の材料、動物の飼料などです。
米より味が劣るというマイナスイメージがありましたが、たんぱく質、ビタミンやミネラルが豊富なことから、ヘルシーな食材として見直されるようになっています。
「きび」とは?
「黍(きび)」は、古代から主食や団子などにして食べられて来た粒の小さな雑穀です。
イネ科キビ属の草本植物で、穂の部分から収穫した実を食用します。
「きび」という名前は「黄色い実」を意味する「きみ」に由来するとされ、実はやや黄色味を帯びています。
主に「もちきび」と「うるちきび」に分類され、アジアを中心に粘り気の強い「もちきび」はだんごやもちの材料に、「うるちきび」はおかゆなど主食として食べられています。
味は甘味とコクがあり、低カロリーながら脂質やたんぱく質、ミネラルなどが豊富に含まれ、ヘルシーな食材としても見直されています。
なお、炊いた「もちきび」をすりつぶして丸めると食感のもちもちした黄色い団子ができあがり、これが昔話「桃太郎」出てくる「きびだんご」にあたるといわれます。
「あわ」と「きび」の違い
「あわ」と「きび」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは古くからアジアなどで主食として食用されてきた穀物です。
「あわ」も「きび」も小さな粒状の実で、雑穀として同じカテゴリーに分類されているので、互いによく似ている印象を持たれがちです。
まず、「あわ」はイネ科のエノコログサ属、「きび」はイネ科のキビ属に分類される点が異なります。
先に食用され始めたのは「あわ」で、「きび」よりも重要視されていました。
「あわ」は稲や麦などと共に「五大雑穀」と呼ばれます。
「あわ」は味わいがさっぱりしており、現在は雑穀入りごはんやおかゆ、菓子の材料などに使われています。
「きび」は「あわ」より粒が大きくて甘みやコクが強く、だんごやもちに使われることが多くなっています。
まとめ
「あわ」は「あわおこし」、「きび」は「きびだんご」の材料になっている雑穀です。
互いによく似ていますが、種類、味、用途などが異なっています。