この記事では、「仏」と「明王」の違いを分かりやすく説明していきます。
「仏」とは?
「仏」とは仏教において悟りを開いた者や、それに準ずる存在を指します。
本来仏というのは悟りを開いた人である仏陀を指す言葉でしたが、そのうち悟りを開いた者だけでなく、悟りに近い修行僧の菩薩、人の世界より高位の世界の住人であり天部など、仏教的に尊い存在も指す仏尊という言葉と同じ意味で使われるようになりました。
悟った人は如来とも呼ぶので、阿弥陀如来や名前に仏とついている存在は狭義の仏であり、仏や如来とついていない存在は仏教の尊い存在をまとめた呼び方であり、いわゆる仏さまにあたります。
「明王」とは?
「明王」とは仏教における尊い存在、いわゆる仏尊の分類の一つです。
仏教の宗派の一つである密教に伝わる尊格であり、仏教に帰依していない人を帰依させる役目や、仏道から外れさせようとする悪や煩悩から護る役目を担います。
明王にあたる存在は如来が帰依を促したり護るために変化した姿であったり、元は悪の存在だった者が帰依して今度は悪から護る役目を担うよう如来から命を受けた存在などです。
強情な民衆を帰依させるため、悪の存在から人を守るため、怒りをあらわにした厳つい表情で表現されます。
「仏」と「明王」の違い
「仏」と「明王」の違いを、分かりやすく解説します。
悟りを開いた者やそれに準ずる尊い存在の総称が「仏」で、民衆の帰依や悪からの護法を担う尊い存在が「明王」です。
「仏」は悟りを開いた者だけでなく、尊格と呼ばれる修業によって悟りに近付いている者、天界の住人など様々な存在を含みます。
「明王」もその尊格の一つであり、力を行使してでも仏教を護り、民衆を教えに導く役目を持つ尊格です。
まとめ
元々仏陀だけを指していた「仏」が仏教的に尊い存在を広く指す言葉としても使われるようになっていて、「明王」はその中に含まれる尊い存在の分類の一つという関係です。
仏教的に尊い存在である仏尊は、その役目や立場によって称号がいくつかあり、力尽くでも導き護る役目の存在が「明王」の称号で呼ばれます。
