この記事では、「当期純利益」と「税引き利益」の違いを分かりやすく説明していきます。
「当期純利益」とは?
会社の最終的な利益を示すもので、税引前利益から法人税等を引いたものです。
税引前利益とは、経常利益に特別利益や特別損失を加えたものです。
経常利益とは、営業利益に営業外収益や営業外費用を加えたものです。
営業利益とは、売上総利益から販売費や一般管理費を引いたものです。
売上総利益とは、売上高から売上原価を引いたものです。
「税引き利益」とは?
会社の税金を支払う前の利益を示すもので、経常利益に法人税等調整額を加えたものです。
法人税等調整額とは、法人税等の計算上の差額で、例えば損失の繰越控除や租税公課の前払いなどが該当します。
「当期純利益」と「税引き利益」の違い
「当期純利益」と「税引き利益」の違いを、分かりやすく解説します。
「当期純利益」と「税引き利益」は、会社の最終的な利益を表す言葉ですが、ニュアンスや使い方に違いがあります。
「当期純利益」は、一会計期間(通常は1年間)に会社が活動した結果の全収益から、全ての費用・法人税等を差し引いた利益のことです。
法人税等には、法人税、住民税及び事業税が含まれます。
その一方で、「税引き利益」は、当期純利益の別の呼び方で、法人税等を差し引く前の利益のことです。
商法上は「当期利益」、財務諸表等規則では「税引前当期純利益」という呼び方もあります。
「当期純利益」の例文
・『当期純利益は、前年度比で10%増加しました』
・『当期純利益は減少する見込みだ』
「税引き利益」の例文
・『税引き利益まで考えないといけないね』
・『税引き利益は、売上高の増加に伴って、10億円に達した』
まとめ
「当期純利益」と「税引き利益」は、会社の利益を表す指標ですが、計算方法や意味合いが異なります。
「当期純利益」は、会社の事業活動や資産売却などによる収益から、すべての費用や税金を引いた最終的な利益です。
その一方で、「税引き利益」は、会社の事業活動による収益から、費用を引いた利益に、税金の計算上の差額を加えた利益です。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるように注意しましょう。