「従者」と「お供」は類似する意味を持つ言葉ですが、どちらかが他の意味を指す場合があるため使い分けが必要です。
この記事では、「従者」と「お供」の違いを分かりやすく説明していきます。
「従者」とは?
「従者」は「じゅうしゃ」と読む言葉で、「つき従う人」や「主(あるじ)を共する人」「共の人」を意味します。
漢字の「従」は「従う」や「付き添う」「たずさわる」「とも」といった意を示し、「者」は「人」「行為や様子などの主体を示すこと」などを表します。
「お供」とは?
「おとも」と読む「お供」は、「目上の人などに随従すること」やそのような人を意味するほか、「相手と一緒に連れたって行くことを謙遜して述べる」際に使用されることもあります。
また、「料亭などにおいて、帰宅する客が乗車する車」という意味も持ち合わせています。
「共」の字には、「仕える」「ともをする」「供える」などの意味が含まれています。
「従者」と「お供」の違い
「従者」も「お供」も「主人など目上の人につき従ったり共をしたりする人」という意味を含む点はほぼ同じといえますが、次のような違いがあります。
「従者」は主に人に対して使用しますが、「お供」は人だけでなく、「人につき従うこと」に対して使用することも可能です。
「お供」を上記の意味で使用する場合は「お供する」のような表現になります。
「お供」は「誰かと共に行動することをへりくだって述べる言葉」でもあり、「駅までお供いたします」や「食事にお供できれば幸いです」のように用います。
また、「お供」は料亭などにおいて「客が帰宅する際に乗るタクシーや自家用車」という意味で使われることもあります。
ダイレクトに「お車」などと表現するよりも、どこか粋なニュアンスが感じられます。
なお、「従者」にはやや硬い印象があるため、日常生活では「お供」の方がよく使われている言葉といえます。
まとめ
「従者」も「お供」も「目上の人につき従ったり共をしたりする人」という意味を含んでいますが、「お供」は「つき従うこと」や「料亭などで客が帰宅時に乗る車」という意味も持っています。
両者の意味や違いを学んで、シーンに合わせて使い分けてみてください。