この記事では、「前科」と「犯歴」の違いを分かりやすく説明していきます。
「前科」とは?
刑事裁判で有罪判決を受けた履歴のことを指します。
前科は法律上の用語ではありませんが、一般的には有罪の確定判決を受けたことを示すものとされます。
前科がつくことによって、法律上の不利益が考えられます。
例えば、執行猶予の獲得が難しくなったり、再犯のおそれがあると判断されて量刑が重くなったり、一部の資格や職業に就けなかったりすることがあります。
前科に関する情報は、警察や検察、本籍のある市区町村で管理されていますが、個人のプライバシーに関する情報なので、第三者に公開されることはありません。
「犯歴」とは?
一般用語として使われ、意味が広いものを指します。
一般的には、前科や前歴や逮捕歴などを含めて指すと言えるでしょう。
前歴とは、過去に何らかの刑事手続きに関与した履歴のことで、有罪判決を受けなくても前歴は残ります。
逮捕歴とは、刑事事件の被疑者として警察に逮捕された履歴のことで、不起訴処分になっても逮捕歴は残ります。
犯歴は、警察や検察などの捜査機関に残りますが、犯罪捜査や量刑の資料として利用されることがあります。
「前科」と「犯歴」の違い
「前科」と「犯歴」の違いを、分かりやすく解説します。
「前科」と「犯歴」は似ている言葉ですが、意味は違います。
「前科」とは、刑事裁判で有罪判決を受けた履歴のことです。
有罪判決が確定すると、前科がつきます。
前科は、法律上の不利益や社会的な差別を受ける可能性があります。
その一方で、「犯歴」とは、一般的には何らかの刑事手続きに関与した履歴のことです。
有罪判決を受けなくても、捜査や逮捕の対象となった場合には、犯歴が残ります。
犯歴は、警察や検察などの捜査機関に管理されています。
「前科」の例文
・『彼は10年前に窃盗罪で有罪判決を受けたので、前科があります』
・『彼女は前科持ちなので、社会復帰が難しいのが現実だ』
「犯歴」の例文
・『彼は不起訴処分になったので、前科はありませんが、犯歴はあります』
・『自分の犯歴を不良自慢のように語るとは、とんでもない人ですね』
まとめ
「前科」と「犯歴」は似ている言葉ですが、意味は異なります。
一般的には、「前科」は、刑事裁判で有罪判決を受けた履歴のことです。
その一方で、「犯歴」は、何らかの刑事手続きに関与した履歴のことです。
それぞれの言葉を正しく使い分けるように注意しましょう。