この記事では、「切羽詰まる」と「張り詰める」の違いを分かりやすく説明していきます。
「切羽詰まる」とは?
ある事態や状況が迫って、どうすることもできなくなることを表します。
語源は、刀の切羽という部分が原因で刀が抜けなくなることから来ています。
刀が抜けないと、戦闘において窮地に立たされます。
そのような危機的な状況を「切羽詰まる」と言います。
類語には、「行き詰まる」「追い詰められる」「窮地に立たされる」などがあります。
「張り詰める」とは?
不安や心配などから気持ちの余裕がなくなることを表します。
語源は、弦楽器の弦を張ることから来ています。
弦が張り詰めると、音が高くなります。
そのような緊張感や息苦しさを「張り詰める」と言います。
類語には、「緊張する」「気がかりになる」「気が滅入る」などがあります。
「切羽詰まる」と「張り詰める」の違い
「切羽詰まる」と「張り詰める」の違いを、分かりやすく解説します。
「切羽詰まる」と「張り詰める」は似たような意味を持つ言葉ですが、違いがあります。
「切羽詰まる」とは、事態が間近に迫ってどうにもならなくなることです。
身動きがとれなくなる状態を表します。
その一方で、「張り詰める」とは、不安や心配などから気持ちの余裕がなくなることです。
息苦しいほど緊迫感を感じられる様子を表します。
つまり、「切羽詰まる」は置かれた立場や状況を表すのに対し、「張り詰める」は気持ちの面を表すと言えます。
「切羽詰まる」の例文
・『問題が山積みで切羽詰まる』
・『切羽詰まるような事態に陥っても、彼はいつも冷静だ』
「張り詰める」の例文
・『会場中の人々が緊張感で張り詰める』
・『彼女は彼の言葉に張り詰めた笑顔を見せた』
まとめ
「切羽詰まる」と「張り詰める」の違いは、前者が置かれた状況や事態を表し、後者が感じる気持ちや心理を表すという点です。
また、前者は突発的な危機に使われることが多く、後者は徐々に追い詰められる状態に使われることが多いという傾向があります。
それぞれの言葉を正しく使い分けるように注意しましょう。