この記事では、「奇形」と「形態異常」の違いを分かりやすく説明していきます。
「奇形」とは?
主に形の異常を意味します。
例えば、多指症や口蓋裂などは「奇形」と呼ばれます。
この言葉は、古くから使われてきたもので、欧米の医学用語では anomaly や malformation などに対応します。
しかし、「奇形」という言葉は、患者や家族の尊厳を傷つける恐れがあるとして、日本医学会が言い換えを検討していると言われます。
「形態異常」とは?
見た目は奇形がなくても機能の異常があることも含む広い概念です。
例えば、心臓や腎臓などの先天性の疾患は「形態異常」と呼ばれます。
この言葉は、「奇形」の代わりに使われることが多くなってきており、先天異常や先天性○○異常という言い方もあります。
欧米の医学用語では congenital anomaly に対応します。
「奇形」と「形態異常」の違い
「奇形」と「形態異常」の違いを、分かりやすく解説します。
「奇形」と「形態異常」は、似たような意味を持つ言葉ですが、使い方やニュアンスに違いがあります。
「奇形」とは、生物の先天的な形態の異常を指す言葉で、差別的な意味合いが強いと考えられます。
その一方で、「形態異常」とは、生物の形態が正常と異なる状態を指す言葉で、奇形よりも中立的な表現です。
形態異常は、先天的なものだけでなく、後天的なものも含みます。
「奇形」の例文
・『足が奇形なので、歩くことが困難だ』
・『彼女は先天性奇形で生まれた』
「形態異常」の例文
・『風疹ウイルスの初期胚への感染により形態異常がおこることが知られている』
・『形態異常とは、先天的な異常を持っている病気のことです』
まとめ
「奇形」と「形態異常」という言葉は、生物の臓器や個体が正常な形態から著しく外れている状態を指す医学用語です。
しかし、この二つの言葉には微妙な違いがあります。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。