この記事では、「遺物」と「遺跡」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺物」とは?
動かすことが可能な人類の痕跡のことです。
過去の人類が残した土器や石器などの動産的なもの(動かすことのできるもの)の総称です。
遺物には人工遺物と自然遺物があります。
人工遺物とは人が作った遺物のことで、道具や衣類や装身具などがあります。
自然遺物とは人の手が加わっていない遺物のことで、種子や食べ残しや排泄物などがあります。
遺物は遺跡から出土したものを指すことが多く、考古学の研究対象となります。
遺物は遺跡の中にあるものですが、遺跡そのものではありません。
「遺跡」とは?
人類の生活の痕跡が残っている場所のことです。
過去に人間が活動したと認められる痕跡があり、考古学研究や文化財保護の対象となったものを指します。
遺跡の中には、遺構や遺物が含まれています。
遺構とは動かすことが不可能な人類の痕跡のことで、過去の建築物や工作物、土木構造物などが後世に残された状態のものを指します。
遺構は遺跡を構成する施設を指し、その構造や様式を知る手がかりとなります。
遺構は生活や生産や政治や信仰などに関わるものがあります。
「遺物」と「遺跡」の違い
「遺物」と「遺跡」の違いを、分かりやすく解説します。
「遺物」と「遺跡」は、人類の歴史や文化を知るために重要な資料ですが、その意味や使い方には違いがあります。
「遺物」とは、動かすことが可能な人類の痕跡のことです。
例えば、土器や石器、金属器、装飾品、衣服などが「遺物」にあたります。
これらは、過去の人々の生活や技術、美意識などを反映しています。
その一方で、「遺跡」とは、人類の生活の痕跡が残っている場所のことです。
例えば、貝塚や古墳、集落跡や神社跡などが「遺跡」にあたります。
これらは、過去の人々の社会や文化、信仰などを示しています。
「遺物」の例文
・『彼は、祖父の遺物として、日本刀や軍服を大切に保管している』
・『縄文時代の遺物として、土器や石器、貝輪などが発見された』
「遺跡」の例文
・『世界遺産に登録されているアンコール・ワットは、カンボジアの最大の遺跡である』
・『この遺跡は、約1万年前の縄文人の集落跡で、貝塚や竪穴住居の遺構が見られる』
まとめ
「遺物」と「遺跡」は、似ているようで異なる意味を指す言葉です。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。