この記事では、「落書き」と「落描」の違いを分かりやすく説明していきます。
「落書き」とは?
無意味な文字や絵を、他人が所有する財産や公共の場所に無断で書き込む行為、または、結果として残されたものを指します。
この行為は、財産の汚損や破壊、景観の損ない、犯罪の誘発などの社会的な問題を引き起こすことがあります。
また、幼児や児童が自宅の壁や床などにいたずら書きする行為も「落書き」と呼ばれることがありますが、これは学習や発達の一環として見られることもあります。
「落描」とは?
歴史学や民俗学において、政治風刺や政治批判、揶揄の目的で人々の目に触れる場に匿名で掲示や配布される文書のことを指します。
特に詩歌形式の落描は「落首」と呼ばれました。
この言葉は、往来のある場所に批判の匿名文書を落とし、人々の目に触れさせたことから「落書」という名前が付いていますが、匿名掲示された批判文書も落描と呼ばれます。
日本においては、主に鎌倉時代から江戸時代頃まで流行しており、当時の状況を調査するにあたり、重要な史料として扱われることも多いと考えられます。
「落書き」と「落描」の違い
「落書き」と「落描」の違いを、分かりやすく解説します。
「落書き」と「落描」は、似ているようで違う言葉です。
一般的には、「落書き」は無意味や無作為な文字や絵を書くことや、それらによって汚されたものを指します。
その一方で、「落描」は、政治風刺や政治批判などの目的で、匿名で文書を掲示や配布することや、それらの文書を指します。
「落書き」の例文
・『駅のトイレには、卑猥な落書きがいっぱいあった』
・『子供が壁に落書きをしてしまったので、ペンキで塗り直した』
「落描」の例文
・『彼は政府の不正を暴くために、落描を書いて街中にばらまいた』
・『落描は歴史学や民俗学の研究において、貴重な史料だ』
まとめ
「落書き」と「落描」は、似ているようで違う言葉です。
一般的には、「落書き」は無意味や無作為な文字や絵を書くことや、その書いたものを指し、「落描」は政治風刺や政治批判などの目的で、匿名で書かれた文書や詩歌を指します。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。