「誘惑」と「誘引」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「誘惑」と「誘引」の違いとは?違い

この記事では、「誘惑」「誘引」の違いを分かりやすく説明していきます。

「誘惑」とは?

「誘惑(ゆうわく)」は、人の気持ちを迷わせて引き込むこと、悪いことに誘い込むことです。

「誘惑」に使われている漢字の意味を見てみると、「誘」はおびき寄せることを、「惑」は迷う、心が乱れることを意味しており、これらを組み合わせた「誘惑」は、人の心にはたらきかけて心を乱れさせ、本人の意図に関係なくあるものに引き込んでしまう様子を表します。

「誘惑」は、人をそそのかして魅了し抜け出せなくしてしまう状況を指します。

「誘惑」の対象になるものは、関わったりのめり込んだりするのは良くないと分かっていながら魅了されやすいものです。

たとえば娯楽や恋愛など、時には不正や犯罪に関連するものが挙げられます。


「誘引」とは?

「誘引(ゆういん)」とは、ものをある方向へ導いて引き寄せることです。

「誘引」に使われている漢字の意味を見てみると、「誘」は導くことを、「引」はひっぱる、連れて行くことを意味しており、これらを組み合わせた「誘引」は、あるものを特定の場所へ連れて行くために導く様子を表します。

「誘引」は、人や物をある場所へ導く目的があって、引き寄せてそちらの方向へ進ませる状況を指します。

一般には植物の姿形を整えるために茎や葉の伸びる方向を決める作業、特定の場所へ人や物を集めるために導く様子を指す時に使われます。


「誘惑」と「誘引」の違い

「誘惑」「誘引」の違いを、分かりやすく解説します。

「誘惑」「誘引」はどちらも引き寄せることを指す「誘」を含みますが、意味は異なります。

「誘」「惑」を組み合わせた「誘惑」は心をまどわせてあるものに引き込んでしまうことですが、「誘」「引」を組み合わせた「誘引」は物理的にものを導いて引き寄せる行為を指し、「誘惑」のように心理的なはたらきかけを伴うことがありません。

また「誘引」にネガティブなニュアンスはありませんが、「誘惑」は良くないものへのいざないであることが多くネガティブなニュアンスを伴うところも異なります。

「誘惑」の例文

・『ダイエット中だが甘い物の誘惑に負けそうになる』
・『魅力的な表情と仕草で、意中の男性を誘惑する』

「誘引」の例文

・『バラのつるをワイヤーで誘引して全体のバランスを整える』
・『蜜のにおいでカブトムシを誘引して捕獲する』

まとめ

「誘惑」は心にはたらきかけてあるものへ誘い込むこと、「誘引」は導いてある場所へ引き寄せることです。

「誘惑」は人をそそのかして良くないことへいざなうニュアンスを持ちますが、「誘引」は単にある場所へ人やものを進ませる行為を指すところが両者の違いになります。

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