この記事では、「木こり」と「そまびと」の違いを分かりやすく説明していきます。
「木こり」とは?
山林の木を切り出すこと、またはそれを職業とする人を指します。
木こりは、木材を供給する重要な役割を果たしており、古くから日本の文化や歴史にも深く関わっています。
例えば、木こりは神社や仏閣の建築に必要な木材を提供したり、木彫りや漆器などの伝統工芸の素材を生産したり、炭や薪などの燃料を作ったりしてきました。
また、木こりは自然環境と密接に関わる職業であるため、山の神や森の精霊などの信仰や伝説も多く生まれました。
木こりは、日本の風土や民俗に根ざした言葉と言えるでしょう。
「そまびと」とは?
杣木と呼ばれる用材を切り倒したり運び出したり造材したりすることを職業とする人を指します。
杣という言葉はもともと木を植え付けて材木をとる山そのもの、すなわち杣山という意味でしたが、後にはそこから採出した用材である杣木や、その伐採や造材の作業や技術を含めた総称として使われるようになりました。
そまびとは、平城京や平安京等の都市建設や寺院の造営などのために、恒常的に大量の木材が必要とされていた時代に、権門貴族や寺社によって設定された杣山で働く山林労働者のことでした。
そまびとは、木こりとは異なり、特定の地域や組織に属する専門的な職人と言えるでしょう。
「木こり」と「そまびと」の違い
「木こり」と「そまびと」の違いを、分かりやすく解説します。
「木こり」と「そまびと」という言葉は、似ているようで実は異なる意味を持っています。
木こりは、一般的に山林の木を切り出す人を指す言葉であり、日本の自然や文化と深く結びついています。
そまびとは、杣木という用材を扱う人を指す言葉であり、日本の都市や建築と密接に関係しています。
「木こり」の例文
・『木こりは、切った木を馬に引かせて、村まで運んだ』
・『木こりは、朝早くから山に入って、一日中木を切っていた』
「そまびと」の例文
・『そまびとは、杣山で杣木を切り倒して、川に流した』
・『そまびとは、杣取りや杣立てなどの作業を実施して、材木を造った』
まとめ
「木こり」と「そまびと」は、どちらも山林の木を切ったり運んだりする仕事をする人のことを言いますが、少しニュアンスが違います。
「木こり」は、一般的に木を切る人のことを指します。
その一方で、「そまびと」は、もともと木をとる山や材木を意味していた言葉ですが、後には木を切ったり運んだりする仕事全般を指すようになりました。
それぞれの言葉を正しく使い分けるようにしましょう。