「受容」と「承服」は「何かを受け入れる」ことに関係する言葉ですが、細かな意味合いが異なるため必要に応じて使い分けることがポイントです。
この記事では、「受容」と「承服」の違いを分かりやすく説明していきます。
「受容」とは?
「受容」は「じゅよう」と読む言葉で、「物事を受け入れて取りいれること」「物事を認めて取り込むこと」を意味します。
漢字の「受」には「受け取る」「受け入れる」といった意味があり、「容」には「器に入れる」「聞き入れる」などの意味が含まれています。
「承服」とは?
「承服」は「しょうふく」と発音し、「相手の依頼や要望などを聞き入れて従うこと」「相手の考えや意見を承知して受け入れること」を示す言葉です。
「承」は「受け継ぐ」「うけたまわる」などを表し、「服」は「着る物」「したがう」といった意を示します。
「受容」と「承服」の違い
「受容」と「承服」の違いを分かりやすく解説します。
「受容」も「承服」も「何かを受け入れる」といった意味合いを含む点はほぼ同じといえますが、以下のような違いがあります。
「承服」には「相手の意見などに従う」という意味合いがありますが、「受容」には「従う」というニュアンスは含まれていません。
また、詳しくは後述しますが、「受容」は肯定形と否定形の両方で使用されるのに対し、「承服」は否定形で用いられることが多い言葉です。
「受容」の例文
「受容」は「〜を受容する」や「受容できない」のように使用します。
外国の文化や相手のことを受け入れる際、日常で起こる出来事や自然現象を事実として受け入れる時などに使用します。
・『異国の文化や習慣を受容する』
・『彼は彼女から言われたことを受容できないようだ』
「承服」の例文
「承服」は、「承服いたしかねる」や「承服できかねる」のように否定形で使用されることが多い言葉です。
相手の意見に賛同できない意思を遠回しに伝えられる表現として知られ、主にビジネスシーンで用いられています。
・『ご提案の内容については承服いたしかねます』
・『承服できかねる理由は下記の通りです』
まとめ
「受容」は「物事を受け入れて取りいれること」を示し、「承服」は「相手の依頼や要求などを聞き入れて従うこと」を示します。
「承服」が否定形で使われることが多い点もチェックしておきましょう。
ぜひ言葉の違いや使い方を学ぶ参考にしてください。