「感染」と「伝染」は双方とも病気に関係する言葉ですが、細かな意味が異なるため必要に応じて使い分けることが必要になります。
この記事では、「感染」と「伝染」の違いを分かりやすく説明していきます。
「感染」とは?
「感染」は「かんせん」と読む言葉で、「細菌やウイルスといった病原体が身体の中に侵入して定着したり増殖したりすること」を意味します。
また、「ある物事に影響を受けて感化されること」という意味も併せ持っています。
「伝染」とは?
「伝染」は「でんせん」と読み、「病原体が他の生物の体内に侵入し、増殖して病気を引き起こすこと」を意味する言葉です。
そのほか、「特定の現象や状態、傾向などが他に移ること」という意味で使われることもあります。
「感染」と「伝染」の違い
「感染」と「伝染」の違いを分かりやすく解説します。
「感染」は病原体が身体の中に侵入し、「侵入した体内で定着・増殖すること」という意味合いがあるのに対し、「伝染」は病原体が「別の生物の体内に侵入して増殖すること」「病気がうつること」という意味合いが強い言葉です。
また、「感染」が「特定の物事に影響を受けて感化されたり染まったりすること」という意味も持ち合わせている一方で、「伝染」は「ある現象や状態、傾向などが他に移ること」という意味も含んでいます。
「感染」の例文
「感染」は「〜に感染する」「〜感染」のように使われます。
なお、ウイルスなどの病原体が体内で増殖して起こる病気のことを「感染症」と呼びます。
・『同僚がインフルエンザに感染する』
・『その病院では院内感染が瞬く間に拡大した』
・『感染症の拡大を防止する必要がある』
・『彼はいつのまにか偏った思想に感染していた』
「伝染」の例文
「伝染」は「〜が伝染する」のように使われるのが一般的です。
また、個体から個体に病原体が広がっていく病気のことを「伝染病」と呼んでいます。
・『未知のウイルスによる病気が伝染する』
・『天然痘は古代から存在していたとされる伝染病です』
・『友人の言動が伝染する』
まとめ
「感染」は「細菌などの病原体が身体の中に侵入して定着または増殖すること」を示し、「伝染」は「病原体が他の生物に侵入して病気の症状が発生すること」を示します。
両者とも病気とは別の意味を持っている点を留意しておきましょう。
ぜひ言葉の違いを学ぶ参考にしてください。