この記事では、「主訴」と「意向」の違いを分かりやすく説明していきます。
「主訴」とは?
医療や福祉の現場で使われる専門用語で、「相談者が支援者に申し立てる主要な訴え」のことです。
例えば、「子どもをショートステイで預けたい」「仕事をしたい」など、相談者が直接的に望んでいることが主訴にあたります。
主訴は、相談者の現状や困りごとを表すもので、支援者が相談者のニーズを探るための手がかりになります。
「意向」とは?
「相談者が自分としてどうしたいのか」ということを表す言葉です。
意向は、相談者の主訴の背景にある「必要としていること」や「望んでいること」を指します。
例えば、「子どもをショートステイで預けたい」という主訴の背後には、「子どもと家で落ち着いた生活をしたい」という意向が隠れている可能性があります。
また、「仕事をしたい」という主訴の背後には、「定期的に旅行に行きたいからお金が欲しい」や「家での居場所がないので、自分が必要とされる居場所が欲しい」など、さまざまな意向があるかもしれません。
意向は、相談者の本当の気持ちや目標を表すもので、支援者が相談者に適切な支援を提供するための基準になります。
「主訴」と「意向」の違い
「主訴」と「意向」の違いを、分かりやすく解説します。
「主訴」と「意向」という言葉の意味の違いは、主訴が「相談者が表面的に訴えること」であるのに対して、意向が「相談者が深層的に求めること」であるということです。
支援者は、相談者の主訴にとどまらず、意向にも配慮しながら、相談者の生活に対する希望や幸せを尊重することが大切です。
「主訴」の例文
・『彼は何が主訴かを尋ねました』
・『この症状を主訴に受診することも多いと考えられます』
「意向」の例文
・『両親の意向で、彼女は彼と結婚することになった』
・『先生の意向で、彼の進学先は決定した』
まとめ
「主訴」とは、相談者が支援者に希望する主要なものとして表明することです。
その一方で、「意向」とは、相談者が自分としてどうしたいのかという方向性のことです。