この記事では、「灰色」と「ねずみ色」の違いを分かりやすく説明していきます。
「灰色」とは?
「灰色」という言葉は、火事や火葬などでできる灰の色に由来しています。
この色は、縁起の悪い色として古くから嫌われてきました。
平安時代には、グレー系統の色は「鈍色」と呼ばれて、墨色と同じく喪の色とされていました。
「ねずみ色」とは?
「ねずみ色」という言葉は、江戸時代に生まれた言葉です。
この時代は、倹約や贅沢の禁止などの政策によって、庶民が着る色は地味な色が主流になりました。
茶色系、鼠色系、藍色系などの色が人気を集めました。
しかし、庶民は、灰色という言葉には火事の灰を連想して嫌がりました。
そこで、ねずみの毛の色に似ているということで、「ねずみ色」という言葉を使うようになったと言われます。
また、ねずみ色には、さまざまな色味がありました。
赤系統の色が混じったものには、「梅鼠」「桜鼠」などの名前が付けられました。
青系統の色が混じったものには、「藍鼠」「深川鼠」などの名前が付けられました。
紫系統の色が混じったものには、「紫鼠」「藤鼠」などの名前が付けられました。
「灰色」と「ねずみ色」の違い
「灰色」と「ねずみ色」の違いを、分かりやすく解説します。
「灰色」と「ねずみ色」は、色としては同じものを指しますが、言葉としては違いがあります。
灰色は、白と黒の中間にある無彩色のことで、火事や火葬などの灰を連想させる色です。
その一方で、ねずみ色は、灰色の別名で、ネズミの体毛の色に由来する言葉です。
「灰色」の例文
・『彼は灰色のスーツを着用してやって来た』
・『灰色の猫が、道を横切って走り去った』
「ねずみ色」の例文
・『ねずみ色の壁紙は暗くて重い感じがする』
・『君にはねずみ色のセーターが似合っている』
まとめ
「灰色」と「ねずみ色」は、色の見た目は同じでも、言葉の由来やニュアンスは異なります。
「灰色」は、縁起の悪い色として古くから使われてきた言葉です。
「ねずみ色」は、江戸時代に庶民が好んで使った言葉で、さまざまな色味があります。