「せめて」と「尠くも」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「せめて」と「尠くも」の違いとは?違い

この記事では、「せめて」「尠くも」の違いを分かりやすく説明していきます。

「せめて」とは?

不満足ながら、これだけは実現させたいという最低限の願望を表す言葉です。

例えば、「せめて声だけでも聞きたい」「せめて10歳若ければなあ」というように、十分ではないが、これだけでもという気持ちを表現します。

この場合、「せめて」には期待感が含まれており、「〇〇ならいいのに」「〇〇てください」「〇〇てほしい」などの願望を表わす表現と結びつきやすいと考えられます。


「尠くも」【すくな・くも】とは?

最低の場合でもの意で、最低限度の値や、しなければならない行為を提示する言い方です。

例えば、「今日の売り上げは尠くも五万円はある」「その問題については尠くも両親には知らせたほうがいい」というように、最低限の数値や義務を表現します。

この場合、「尠くも」に期待感は含まれず、客観的な事実や必要条件を表現します。


「せめて」と「尠くも」の違い

「せめて」「尠くも」の違いを、分かりやすく解説します。

「せめて」「尠くも」の違いは、前者が主観的な願望を、後者が客観的な事実や条件を表すという点にあります。

また、前者は不満足な状況から抜け出したいという気持ちを、後者は最低限の状況に満足しているという気持ちを表すという点でも異なります。

このように、両者は微妙なニュアンスの違いがありますので、文脈に応じて使い分ける必要があります。

「せめて」の例文

・『せめて、彼には幸せになってほしい』
・『せめて、明日までには仕事を終わらせたい』

「尠くも」の例文

・『尠くもこんなに高いものは買えない』
・『尠くもあの人には頼れない』

まとめ

「せめて」は、十分ではないけれど、これだけは実現させたいという願望や期待を表します。

相手に対して何かを求めたり、自分の状況に不満を感じたりするときに使います。

その一方で、「尠くも」は、最低の場合でもという意味で、最低限度の数値や、しなければならない行為を提示します。

客観的な事実や義務を述べるときに使います。

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