「身勝手」と「手前勝手」は同じような意味を持つ言葉ですが、少し意味合いが違うため必要に応じて使い分ける必要があります。
この記事では、「身勝手」と「手前勝手」の違いを分かりやすく説明していきます。
「身勝手」とは?
「身勝手」は「みがって」と読む言葉で、「ほかの人のことを考慮せず、自分の都合や利益のみを優先して行動すること」を意味します。
また、自分勝手な振る舞いや、わがままな態度のことを指す場合もあります。
「手前勝手」とは?
「手前勝手」は「てまえがって」と読む四字熟語で、「自分に都合の良いことだけを考えて行動すること」を意味します。
上記のような状態や、「自分勝手な態度」という意味で使用されることもあります。
「身勝手」と「手前勝手」の違い
「身勝手」も「手前勝手」も「相手のことを考えず、自分の都合や利益のみを優先して考えたり行動したりすること」「自分勝手」という意味を含んでいますが、細かな意味合いに違いがあります。
「手前勝手」の「手前」は「自分のことを謙遜して表す言葉」の一種です。
このため「手前勝手」は相手を立てる丁寧な表現になり、フォーマルシーンやビジネスシーンなどの改まった場面で多く使われています。
「身勝手」の例文
「身勝手」は、自分の都合や利益だけを優先して行動することを示します。
加えて、自分勝手な態度やわがままな振る舞いを表す際にも用いられます。
日常生活をはじめ様々な場面で使用される言葉といえるでしょう。
・『彼女の身勝手な振る舞いにうんざりする』
・『彼の身勝手な言い訳を聞いて驚くと共に呆れてしまった』
・『身勝手な言動は慎むべきだ』
「手前勝手」の例文
「手前勝手」は、自分の都合のみを考えて行動することをへりくだって表現する際に使用します。
「勝手で申し訳ない」というニュアンスも含まれており、より丁寧でかしこまった印象を与えるため目上の人にも使うことが可能です。
ビジネスシーンでは、外部の人や上司に難しいお願いをする際などに使用されています。
・『手前勝手なお願いで申し訳ございませんが、ご対応いただきますようお願いいたします』
・『誠に手前勝手ではございますが、日程の変更は可能でしょうか』
・『手前勝手な意見とは存じますが、前向きにご検討いただけると幸いです』
まとめ
「身勝手」も「手前勝手」も「自分の都合や利益のみを考えて行動する」意味を含みますが、「手前勝手」は自分をへりくだるかしこまった表現になります。
両者の使い方や使うシーンなどを理解して、TPOに合わせて使い分けてください。