「ご来臨」と「ご臨席」は双方とも「臨」という漢字が使われた言葉ですが、読み方や意味が異なるため使い分ける必要があります。
この記事では、「ご来臨」と「ご臨席」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご来臨」とは?
「ご来臨」は「ごらいりん」と読む言葉で、「相手が特定の場所に来てくれること」の尊敬語に該当します。
「ご」は「尊敬や敬意を示す語」で、漢字の「来」は「こちらに来る」「近くに来る」を意味し、「臨」は「直面する」「見下ろす」のほかに「高貴な人が来ることを敬って表す言葉」という意味を持ち合わせています。
「ご臨席」とは?
「ご臨席」は「ごりんせき」と読み、「相手が出席することを敬って表現する言葉」です。
特に、地位や身分などが高い人がどこかに出席する際に多く使用されます。
「ご」は「尊敬や敬意を表す言葉」、漢字の「臨」は「高貴な人が来ることを敬って示す言葉」です。
「席」には「座る場所」「会合などが開催される場所」といった意味があります。
「ご来臨」と「ご臨席」の違い
「ご来臨」と「ご臨席」の違いを分かりやすく解説します。
「ご来臨」は「相手が特定の場所まで来てくれること」を丁寧に示す時に使う言葉です。
一方、「ご臨席」は「相手がセレモニーや会などの場所に出席すること」を丁寧に表す際に用います。
「ご来臨」と「ご臨席」はいずれも古くから「高貴な人」に対して使用されてきた言葉になるため、現在も「地位や身分が高い人」や「主賓」に対して用いられる傾向があります。
「ご来臨」の例文
「ご来臨」は、身分や地位が高い人が特定の場所に足を運んでくれる状況で使用します。
改まった表現なので、通常は日常会話ではなく文面やスピーチなどで用いられます。
・『明日のセレモニーには殿下が来臨されます』
・『ご来臨賜わりますようご案内申し上げます』
「ご臨席」の例文
「ご臨席」は「身分や地位が高い人が会やセレモニーなどに出席すること」を敬って示す状況で使用します。
こちらも丁寧な言いまわしになるため、書面や挨拶といったかしこまった場で使われます。
・『本日はご臨席賜り誠にありがとうございます』
・『大臣のご臨席を仰いでセレモニーが執り行われました』
まとめ
「ご来臨」は「相手が来てくれることを丁寧に表した言葉」で、「ご臨席」は「相手が出席することを丁寧に示した言葉」となります。
両者共に身分や地位の高い人に使われることが多いという点も意識しておきましょう。
ぜひ語彙力向上に役立ててください。