「お召しになる」と「召し上がる」は双方とも「召」という字が使われた表現ですが、意味や使い方に違いはあるのでしょうか。
この記事では、「お召しになる」と「召し上がる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お召しになる」とは?
「お召しになる」は「身につける」「着用する」の尊敬語にあたる言葉で、誰かが衣服などを着ることを敬って表現する際に使用します。
「召す」は「身につける」のほかに「病気を患うこと」「年を重ねること」「飲食すること」「気に入ること」などの尊敬語としても知られています。
「召し上がる」とは?
「召し上がる」は「飲食すること」の尊敬語に該当します。
「召す」は「飲食すること」や「着用すること」「年を重ねること」「気に入ること」を敬って表す際に使用する表現で、「上がる」は「自分の位置を下げて、相手の位置を上に上げる」意味合いで使います。
「お召しになる」と「召し上がる」の違い
「お召しになる」と「召し上がる」の違いを分かりやすく解説します。
「お召しになる」も「召し上がる」も「召す」という言葉を使った表現です。
「召す」は「衣服などを身につけること」「飲食すること」「病気を患うこと」「年を重ねること」「飲食すること」「気に入ること」などの尊敬語にあたります。
「召す」を使った表現にはいくつかの種類があり、「衣服を着用すること」に対しては「お召しになる」を、「飲食すること」に対しては「召し上がる」を使うことが多いとされています。
なお、「病気を患うこと」については「風邪を召される」、「年を重ねること」に対しては「お年を召される」、「気に入ること」に関しては「お気に召す」のように使います。
「お召しになる」の例文
「お召しになる」は主に「衣服を身につけること、着用すること」を敬って表現する際に使用します。
かしこまった言い方で、目上の方に対しても用いることが可能です。
・『〇〇さんがお召しになる着物はいつも素敵だ』
・『パーティーではどのようなドレスをお召しになりますか』
「召し上がる」の例文
「召し上がる」は「食べたり、飲んだりすること」敬って表す状況で用いる言葉です。
こちらも改まった言い方になるため、フォーマルやビジネスの場面でよく使われます。
・『〇〇様はいつも6時きっかりに朝食を召し上がる』
・『夕食を召し上がるならお作りします』
まとめ
「お召しになる」は「衣服を着用すること」の尊敬語で、「召し上がる」は「飲食すること」の尊敬語にあたります。
どちらも「召す」という表現が元になった言葉ですが、詳細な意味合いに違いがあることを覚えておきましょう。
ぜひ言葉の使い分けの参考にしてください。