「定礎」と「竣工」はどちらも建築に関係する言葉ですが、それぞれの意味が異なるため使い分ける必要があります。
この記事では、「定礎」と「竣工」の違いを分かりやすく説明していきます。
「定礎」とは?
「定礎」は「テイソ」と読む言葉で、「建築物の着工時に建物の土台や基礎となる礎石を置くこと」を意味します。
「定」には「定め」や「決まり」、「ひとつの場所に落ち着く」などの意味があり、「礎」には「建築物の柱を乗せる土台の石」や「物事の基礎となるもの」といった意味があります。
「竣工」とは?
「竣工」は「シュンコウ」と読む言葉で、「建築や土木の工事が完了すること」を意味します。
「峻」は「完成する」「終わる」「とどまる」という意味を持ち、「工」は「物を作る仕事」や「わざ」、「物づくりの職人」などの意味を持ち合わせています。
「定礎」と「竣工」の違い
「定礎」と「竣工」の違いを分かりやすく解説します。
「定礎」は「建築物を着工する時に建物の土台や基礎となる礎石を置くこと」を意味し、通常は学校やビル、マンションなどに設置されているプレートや御影石のことを指します。
「定礎」は、古代ヨーロッパにおいて建造物を建てる前に建物の礎になる箇所に印をつけて工事の安全や繁栄を祈願していたことが由来と考えられています。
日本では、明治に入って外国の文化が取り入れられるようになってから「定礎」の習慣が定着していきました。
なお、日本では着工時の安全祈願に「地鎮祭」が実施されることもあって、「定礎」を設置するのは着工時ではなく工事が完了した「竣工」時となっており、「定礎」に刻まれている日付も工事の竣工日であることが一般的です。
「定礎」のプレートや御影石には、「図面」や「施主の名前」、「建築会社の名前」などその建物に関する資料が入った「定礎箱」が埋め込まれている場合が多く、定礎箱の中身が見られるのはその建物が解体される時といわれています。
一方、「竣工」は「建築または土木の工事が完了すること」を意味します。
また、神社仏閣に対しては「竣功」の字が使われる場合もあります。
まとめ
「定礎」は「建築物の着工時に建物の土台や基礎となる礎石を置くこと」を示し、「竣工」は「建築または土木の工事が完了すること」を示します。
日本では「定礎」プレートを「竣工」時に設置することが多い点も覚えておきましょう。
ぜひ語彙力向上に役立ててください。