この記事では、「悲惨」と「凄惨」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悲惨」とは?
「悲惨」は「ひさん」と読み、文字のとおりに解釈すると「悲しくみじめである様子」という意味になり、見聞きに耐えがたいほど痛ましいこと、あるいはその様子を表す言葉です。
「悲惨」の「惨」の文字は、「心臓」+「3つの星」+「かんざしをつけた女性」から成り立ち、「心の平安をうばわれる」のようなニュアンスから、「そこなう」「いたむ」「むごい」といった意味となりました。
それはとても悲しい状況であることから「悲惨」という表現に繋がったとも考えられるでしょう。
「凄惨」とは?
「凄惨」は「せいさん」と読み、文字通りの解釈としては「凄く惨めである様子」といえます。
「凄」の文字は、「氷の結晶」+「かんざしに手をやる女性」から成り立ち、「寒気のするような」というニュアンスから、「すさまじい」「おそろしい」「いたましい」という意味になったとされています。
「凄惨」の使い方の例としては、「凄惨な事故現場」「凄惨な描写のホラー映画」などが挙げられます。
この表現を見聞きするだけで、恐ろしく痛ましい様子が目に浮かぶようです。
「悲惨」と「凄惨」の違い
「悲惨」と「凄惨」は、どちらも「惨め」の言葉が含まれていることから、「痛ましくみじめなこと、あるいはそういった様子」を表す言葉となっていますが、ニュアンスに違いがあります。
「悲惨」には「悲しい」の言葉があるため、「感情的」「感傷的」なニュアンスがふくまれており、「悲しみに満ち溢れる痛ましい様子」を表現しているといえます。
一方の「凄惨」には、「凄」の文字が含まれることから、「寒気のするほど」「ぞっとするほど」「おそろしいほど」という描写的表現があるといえます。
このことから、「物語は悲惨な結末を迎えました」「兵隊たちは凄惨な最後を遂げました」のように、ニュアンスやインパクトに違いがあることがわかります。
まとめ
いかがでしたか。
「悲惨」と「凄惨」は、どちらも「惨め」という状況や様子を表す言葉ですが、ニュアンスに違いがあるため、使い分けが必要であるといえるでしょう。