この記事では、「職権乱用」と「越俎之罪」の違いを分かりやすく説明していきます。
「職権乱用」とは?
「職権乱用」は「しょっけんらんよう」と読みます。
意味は「職務上認められている権限を違法に使い、人が任命されている業務以上の義務を負わせたり、逆に休暇や福利厚生など、持っている権利を妨害すること」です。
上の立場の者が。
自分の権利を不当に適用させて、下の立場の者に職務外の仕事をさせたり、自分に都合の良いように束縛することを表します。
「職権乱用」の言葉の使い方
「職権乱用」は「職権濫用」とも書き、名詞として「職権乱用する・した」「職権乱用の疑い」などと使われます。
「職権+乱用」で成り立っている語で、「職権」は「職務を行ううえで与えられている権限」という意味、「乱用」は「一定の基準や限度を越えてむやみに使うこと」という意味、「職権乱用」で「職務上与えられている権限を、限度を越えてむやみに使うこと」になります。
基本的に、上の立場の人が、権限を不当に使い、下の立場の人を無理に使役することを表します。
「越俎之罪」とは?
「越俎之罪」は「えっそのつみ」と読みます。
意味は、「自分の職務の範囲を超えて、他人の職務や権限に干渉すること」です。
自分が持っている職務より更に出しゃばって、相手の権利をおかすことを表します。
「越俎之罪」の言葉の使い方
「越俎之罪」は、ことわざと・慣用句として使われます。
「越」は「こえる」という意味、「俎」は「まな板」という意味、「越俎之罪」で「まな板を超えることの罪」になります。
「中国の歴史書「荘子」に記されている一節からの引用です。
昔、堯帝(ぎょうてい)が許由(きょゆう)という人物に天下を譲ろうとしたのですが、許由は断りました。
その際に、「人は分を守ることが大切である。
たとえ料理番が、神に供えるべき料理を作れないからと言っても、神主が持ち場を捨てて台所に立つことはしない」と言った事から、「持ち場を超えてでしゃばることのたとえ」として使われる様になりました。
「職権乱用」と「越俎之罪」の違い
「職権乱用」は「職務上与えられている権限を、限度を越えてむやみに使うこと」です。
「越俎之罪」は「自分の職務の範囲を超えて、他人の職務や権限に干渉すること」です。
まとめ
今回は「職権乱用」と「越俎之罪」について紹介しました。
それぞれの違いを理解して、正しく使える様にしておきましょう。