この記事では、「正鵠を射る」と「的を射る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「正鵠を射る」とは?
正鵠を射るとは、物事の要点を正しくおさえていることをいう慣用句です。
正鵠は古代中国で生まれた言葉で、的の中心にある黒い点のことを指していました。
正鵠の鵠は白鳥の古い呼び名で、昔は動物の皮に白鳥を描いて的にしていたといわれています。
そこから物事の核心や要点を表すようになります。
日本で正鵠を射るという慣用句が生まれたのは昭和に入ってからです。
明治時代に正鵠を得るという言葉が生まれ、正鵠が的を表すことから「得る」ではなく「射る」を使うようになりました。
「的を射る」とは?
的を射るとは、物事の本質や要点を的確にとらえていることをいいます。
正鵠を射るという言葉から変化して生まれた慣用句です。
昔は弓を引く時には動物の皮に白鳥を描いたものを的にしていましたが、紙に描いた円状の的に変化していきました。
それに伴い、正鵠ではなく的を使うようになったと考えられています。
また、的を射るから生まれた的を得るという表現もありますが、どちらも間違っているわけではなく正しい使い方です。
最近では的を得るという言い方の方が良く使われます 3. 「正鵠を射る」と「的を射る」の違い 正鵠を射るも的を射るも、物事の要点や核心を的確にとらえていることを表す慣用句です。
正鵠を射るから生まれたのが的を射るなので、意味に違いはありません。
的を射るよりも正鵠を射るという方が、堅い表現になります。
「正鵠を射る」の例文
・『彼はいつも正鵠を射るような意見を言う』
「的を射る」の例文
・『あなたは的を射る発言が多いので感心している』
まとめ
正鵠を射るも的を射るも、物事の要点や核心を的確にとらえていることをいいます。
そのため意味に違いはありません。
ただし、正鵠を射るという方が、的を射るというよりも堅い表現になります。