どちらも同じ意味合いとなりそうな「度胸」と「勇気」。
しかし、実際は、少し違った意味を持ち、使い方なども異なってきます。
そこで、今回、「度胸」と「勇気」について、様々な角度からご紹介させて頂きます。
「度胸」と「勇気」の違い
「度胸」と「勇気」の違いは、同じ強さを示す意味でも、それが、受け身なのか、立ち向かうのかという大きな違いがあります。
この点が大きなポイントです。
「度胸」には、どんな恐怖にも、どんな困難にも驚かないといった受け身の強さがあり、「勇気」には、どんな恐ろしいことにも、困難なことにも立ち向かう強さがあります。
同じ強さでも、受け身なのか、立ち向かうのかによって、「度胸」と「勇気」は大きく異なります。
「度胸」と「勇気」の使い方の違い
何事にも動じず平常心でいることができる、強い精神力を持ち、それらを行動で示す場合、「度胸」という言葉を用います。
一方、何事にも恐れない強い心を持ち行動で示す場合、「勇気」という言葉を用います。
そのため、「度胸」は、「度胸がある」といった形で用いられ、「勇気」は、「勇気を持つ」といった形で用いられることが多くなります。
「度胸」と「勇気」の英語表記の違い
「度胸」は英語表記で、courage(信念を持って困難・危険などに立ち向かう勇気)、nerve(強い神経・図太さ)、boldness (大胆さ) grit、《口語》 guts (勇気・決断力) 《略式》となります。
「勇気」は英語表記で、bravery、courage、boldness、brave (勇敢な)、courageous(勇気のある)、bold. (大胆な)となります。
このように英語表記の場合は、同じ、「度胸」や「勇気」でも、どんな場面で用いられるあによって英語表記は異なります。
「度胸」の意味
「度胸」は、どんなことにも動じない強い精神力を指します。
慌てる、動揺することなく、行動することができる強さを持っていると意味となります。
「度胸」の使い方
どんなことにも動じず強い精神力を持っている言葉となる「度胸」。
そのため、使い方としては、肝の据わった人を示す場合や最悪の状態になる可能性がありながらも改善するために行動する場合などに用いられます。
度胸を試す、度胸を出す、度胸のある行動、などが主な使い方となります。
「度胸」を使った例文
・『上司に文句を言うなんて、いい度胸だ。』
・『自立する度胸もないくせに親に偉そうに言うな。』
・『度胸試しにお化け屋敷に入った。』
・『度胸がある男に憧れる。』
・『男は度胸、女は愛嬌。』
「度胸」の類語
・続行する勇気の類語
腹、勇、勇気、胆力、意気。
・恐怖心を見せることなく、苦痛や危険に立ち向かうことのできる勇気の類語 きもっ玉、勇敢さ、勇壮さ、剛勇さ、勇、勇力、強勇、根性、勇ましさ、剛勇、勇気のあること、勇気など。
・必然的に危険を含むことをあえて引き受けるという度胸の類語
大胆不敵、きもっ玉、放胆、果敢さ、剛毅、大胆など。
・損失や損害の可能性があるにもかかわらず、勇気や決意を示す度胸の類語
胆力、胆気、勇気。
「度胸」の対義語
「度胸」の対義語というものはなく、文章で示す場合、「度胸がない」などとなります。
「勇気」の意味
「勇気」の意味は、物事に対し恐れない強い心となります。
たとえ、恐れが心にあったとしても、そのことに打ち勝つ強い心を持つことを意味しています。
「勇気」の使い方
物事に対し恐れない強い心を意味する「勇気」。
そのため、恐れずに行動する際に使われることが多くなります。
勇気を持つ、勇気を出す、などが主な使い方です。
「勇気」を使った例文
・『勇気を振り絞って立ち向かう。』
・『あの人に口答えする勇気さえない。』
・『勇気を出して冒険に出発する。』
・『彼女のために勇気を出して頑張る。』
・『開き直る勇気もない。』
「勇気」の類語
・続行する勇気の類語
腹、勇、度胸、胆力、意気。
・恐怖心を見せることなく、苦痛や危険に立ち向かうことのできる勇気の類語
きもっ玉、勇敢さ、勇壮さ、剛勇さ、勇、勇力、強勇、根性、勇ましさ、剛勇、勇気のあること、度胸など。
「勇気」の対義語
「勇気」の対義語は、しいて言えば「臆病」となります。
ただし、勇気と臆病は完全な対義語ではありません。
まとめ
以上が「度胸」と「勇気」の違いとなります。
「度胸」と「勇気」の場合、なんとなく違いがわかるという人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に説明するとなると少し難しい「度胸」と「勇気」の違い。
最も簡単なのは、同じ人間が持つ強さでも、受け身なのか、立ち向かうのかとなります。
受け身の場合は、「度胸」を使用し、立ち向かう場合は「勇気」を使用する。
そうすることで、スムーズに「度胸」と「勇気」を使い分けることが可能となります。
