「越権行為」と「職権乱用」はどのような違いで区別すればいいのでしょうか。
この記事では、「越権行為」と「職権乱用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「越権行為」とは?
「越権行為」とは、「物事において有効に行うことが可能な範囲を超えていること」を意味する言葉です。
法令や契約などの根拠により何かを有効に行えると認められる資格の範囲を「権限」といいます。
「越権行為」は認められている有効な権限の範囲を超えて行動することを表します。
一般的には「認められている権限の範囲を超えて物事に関わること」という意味で使われることが多く、他人の部下に指示を出したり範囲外の業務に許可を出したりなど本来の権限から逸脱するさまを指す表現です。
「職権乱用」とは?
「職権乱用」とは、「職業に対して認められた権限をむやみに行使すること」を意味する言葉です。
就いている職業や役職に対して認められる権利や権限を「職権」といいます。
警察官に認められる逮捕権のような公の権利だけでなく面接官に認められる人材採用権や従業員に与えられる施設利用権など、職業に就いていることが理由で行使できる権利や権限を指す言葉です。
「乱用」とは程度や量を考えず好き勝手に使うことを意味する言葉なので「職権乱用」は「職業によって得た権利や権限を好き勝手に行使すること」という意味になります。
「越権行為」と「職権乱用」の違い
「越権行為」と「職権乱用」の違いを、分かりやすく解説します。
「越権行為」と「職権乱用」はどちらも権利や権限の正しくない行使を表す言葉ですが、行使の仕方に違いがあります。
「越権行為」は認められていない範囲に対して権利や権限行使するさまを表しますが「職権乱用」は権利や権限を行使する内容は正しいが程度を超えてむやみやたらに使うさまを指す、という違いで区別されます。
関わることが認められていない範囲に手を出すのが「越権行為」で、認められた範囲内でむやみやたらに職業上の権利や権限を行使するのが「職権乱用」という違いで区別されます。
まとめ
「越権行為」と「職権乱用」ではふるまいが大きく異なります。
それぞれの意味を正しく理解して使い分けてください。