昭和を生きてきた人たちにとっては何となく違和感がある言葉遣いがあります。
例えば「戻ってこれない」がその一つですが、極めて普通に使われています。
それでは、この「戻ってこれない」とはどういう意味でしょうか。
また、「戻ってこられない」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「戻ってこれない」と「戻ってこられない」の違いを分かりやすく説明していきます。
「戻ってこれない」とは?
「戻ってこれない」とは、「戻ってくることができない」という意味で使われる言葉ですが、使用できる場所が限られているものです。
正式な表現は後述の「戻ってこられる」です。
「戻ってこられない」とは?
「戻ってこられない」とは、「戻ってくることができない」という意味で使われる言葉で、「戻ってくる」は「戻る」と「来る」の組み合わせなので、「戻る」を強調した表現になります。
「戻ってこれない」と「戻ってこられない」の違い
「戻ってこれない」と「戻ってこられない」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、意味としては同じで、同じようなシチュエーションで使われる言葉ですが、どこが違うのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、正しい表現は「戻ってこられない」というもので、「戻ってこれない」は正式ではない場所でのみ使用可能な表現ということになります。
つまり、「戻ってこれない」は正しくない日本語ということです。
この表現は、前述のように「見れる」「来れる」などと同じ「ら抜き言葉」と言われます。
「戻ってこれない」の例文
・『この先に進むと、もう「戻ってこれない」気がする』
・『「戻ってこれない」という表現は正しい日本語ではないと言われています』
「戻ってこられない」の例文
・『この先に進むと、そこからは「戻ってこられない」という気がします』
・『「戻ってこられない」という表現が正式なものとして認識されています』
まとめ
この記事では、「戻ってこれない」と「戻ってこられない」の違いを、解説してきました。
ここまで解説してきたように、「ら抜き言葉」の使用には賛否両論があります。
文化庁の日本語教育に関するページでは、「ら抜き言葉」が昭和初期にすでに出現していたことを紹介しながら、しかし、現段階では「正式な場所では誤り」とせざるを得ないと結論しています。