「割れ鍋に綴じ蓋」と「割れ鍋に閉じ蓋」はどちらもよく似たフレーズですが、それぞれに意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「割れ鍋に綴じ蓋」と「割れ鍋に閉じ蓋」の違いを分かりやすく説明していきます。
「割れ鍋に綴じ蓋」とは?
「割れ鍋に綴じ蓋」は「われなべにとじぶた」と読む言葉で、「割れ鍋」は「壊れた鍋」、「綴じ蓋」には「修繕した蓋」を示します。
「割れて破損した鍋にも合う蓋がある」という意味があり、「どんな人にもピッタリの伴侶がいる」もしくは「似たもの同士」を表す例えとして使用されています。
なお、「割れ鍋」を「破れ鍋」と記す場合がありますが、読み方はいずれも「われなべ」となります。
「割れ鍋に閉じ蓋」とは?
「割れ鍋に閉じ蓋」も「われなべにとじぶた」と読む言葉です。
前述の「割れ鍋に綴じ蓋」と混同される場合がありますが、「綴じ蓋」の「綴じる」には「縫い合わせる」「直す」という意味があるのに対し、「閉じ蓋」の「閉じる」だと「何かを閉める」という意味になるため、「割れ鍋に閉じ蓋」は誤用となります。
「割れ鍋に綴じ蓋」と「割れ鍋に閉じ蓋」の違い
次に、「割れ鍋に綴じ蓋」と「割れ鍋に閉じ蓋」の違いを分かりやすく解説します。
「割れ鍋に綴じ蓋」は「割れて破損した鍋にも合う蓋がある」という意味を持ち、「どんな人にも相応の伴侶がいる」もしくは「似たもの同士」を表す例えとして使用します。
一方、「割れ鍋に閉じ蓋」は「割れ鍋に綴じ蓋」と混同されがちですが、「閉じる」の意味が異なるため誤った表現となります。
「割れ鍋に綴じ蓋」の例文
「割れ鍋に綴じ蓋」は夫婦や気の合う間柄を示す際に使用されます。
ただし、「割れ鍋」や「綴じ蓋」といった不完全なものに例えているため、目上の人には使わないのが一般的です。
・『お互いに足りないところはありますが、割れ鍋に綴じ蓋でそれなりにうまく生活しています』
・『親友のAとは、割れ鍋に綴じ蓋で学生時代から友情が続いている』
・『夫には腹が立つことも多いが、割れ鍋に綴じ蓋なので私にもたくさん欠点があるはずだ』
「割れ鍋に閉じ蓋」の例文
「割れ鍋に閉じ蓋」は誤用になりますので、無理に用いる必要はないでしょう。
「割れ鍋に綴じ蓋」と混同しないよう注意が必要です。
まとめ
「割れ鍋に綴じ蓋」と「割れ鍋に閉じ蓋」は読み方が同じですが、「割れ鍋に綴じ蓋」の方が正しい表記となります。
「綴じる」と「閉じる」の意味を理解しておくのがポイントといえるでしょう。
ぜひ参考にして言葉に対する知識を深めてくださいね。