「蛇足」と「補足」はそれぞれどのような意味で何が違うのでしょうか。
この記事では、「蛇足」と「補足」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蛇足」とは?
「蛇足」とは、「物事の価値を失わせてしまう余計な付け足し」を意味する言葉です。
中国の古典に由来する故事の一種です。
蛇の絵をうまく書いたほうが酒を飲めるという勝負に勝った男が調子に乗って蛇に足をかいてしまったところ足のある蛇などいないという理由で勝ちを無効にされ酒を飲ませてもらえなかった、という話が元になっています。
完成している蛇の絵に余計な足を書き足したばかりに悪い結果になってしまったことから「いらない付け足し」という意味で使われている言葉です。
「補足」とは?
「補足」とは、「足りない部分を補う付け足し」を指す言葉です。
そのままでは不十分なものに対し不足しているところを補う形で付け足すことを意味します。
分かりにくい内容を噛み砕いて説明したり具体的な事例をあげたりなど、それを付け足すことで主要な部分が理解しやすくなる追加部分が「補足」です。
物事の内容を補う場合に用いられる表現で、足りない物品を追加するなど物理的な意味合いでは使いません。
「蛇足」と「補足」の違い
「蛇足」と「補足」の違いを、分かりやすく解説します。
「蛇足」と「補足」はどちらも付け足しを意味する言葉ですが、付け足される内容の価値が異なります。
「蛇足」は元の価値を台無しにする余計な付け足しを意味するのに対し「補足」は元の価値を補い高める付け足しを指す、という違いで区別できます。
無い方がいい邪魔な付け足しが「蛇足」で、あった方がいい効果的な付け足しが「補足」です。
「蛇足」の例文
・『最後の一言は蛇足だ』
・『パート4はシリーズにおいて蛇足である』
「補足」の例文
・『補足説明を付け加える』
・『補足を読んで理解できた』
まとめ
「蛇足」と「補足」では意味が大きく異なります。
同じ付け足しても全く別物なので違いを知っておきましょう。