日本の近代音楽に多大な影響を与えた楽器オルガンの違いを解説。
この記事では、「パイプオルガン」と「オルガン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「パイプオルガン」とは?
その歴史は古く既に紀元前から原型となるものが存在。
人類史における音楽の普及に多大な爪痕を残したのが「パイプオルガン」だと言っていいでしょう。
仕組みは至ってシンプルなもので鍵盤に対応してパイプが存在。
パイプに空気を送りこみ、その圧力で音を奏でます。
国民的漫画・アニメにあたる『ゴルゴ13』への依頼方法として劇中で使われる事で讃美歌13番が「パイプオルガン」により奏でられるのはあまりに有名と言っていいでしょう。
その他、聖職者が吸血鬼と戦うシーンなどでその音色は使われる事が多く、実際の「パイプオルガン」は知らなくても音は知っている、想像がつく人は多いはずです。
日本では1986年に東京に建設された『サントリーホール』には世界最大級の「パイプオルガン」が設置されており、実際に世界屈指の実機を見る事ができるでしょう。
「オルガン」とは?
日本で「オルガン」といった場合、まず頭に浮かぶのが小学校の音楽の時間で使われた鍵盤式のもの。
いわゆる「リードオルガン」と呼ばれるものだと言っていいでしょう。
欧米では19世紀に大流行したもの20世紀に入り、ピアノの価格が大きく下落した事で本体はもとより、楽曲すらも駆逐する顛末になりました。
日本では明治期に普及開始、こぞって国内楽器メーカーが参入。
日本における音楽教育と楽器メーカーの育成に多大な貢献をする事になりました。
「パイプオルガン」と「オルガン」の違い
「パイプオルガン」と「オルガン」の違いを、分かりやすく解説します。
一般的に日本では学校教育で「リードオルガン」が明治時代から使われた事もあり、「オルガン」イコール「リードオルガン」の図式になっています。
また基本的には「パイプオルガン」は前述した「サントリーホール」や「教会」に設置されてカスタマイズされたものが多いと言えるでしょう。
それは新しく建てられたコンサートホール等ではより顕著だと言えるはずです。
また「パイプオルガン」と「リードオルガン」では発音機構自体が異なります。
まとめ
「パイプオルガン」の歴史は古く紀元前数世紀から原理が登場。
17世紀〜18世紀にその全盛期を迎えました。
「オルガン」は日本では「リードオルガン」を指す事がほとんどだと言えるでしょう。
19世紀に米国で隆盛を迎えるも安価なピアノの登場などの諸背景で駆逐されましたが、日本では時代背景にマッチして大きく普及し、音楽文化の形成に影響を与えた楽器だと言えます。