何事も、たくさんの人が関わってくると、少人数のグループは分が悪くなってしまいますが、そのような状況のことを「多勢に無勢」と表現する事があります。
それでは、この「多勢に無勢」とはどういう意味でしょうか。
また、「衆寡敵せず」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「多勢に無勢」と「衆寡敵せず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「多勢に無勢」とは?
「多勢に無勢」とは、文字通り、人数が多い方のグループに対して、少ない方のグループは不利であると言うことを表現している慣用句です。
ほとんどは少人数の方のグループの立場で発せられます。
「衆寡敵せず」とは?
「衆寡敵せず」とは、前述の表現と同様に大人数に対しては少人数の方が分が悪いと言うことを表した言葉です。
「衆」が人数が多いこと、「寡」が人数が少ないことであり、「寡は衆に敵せず」と表現からきています。
「多勢に無勢」と「衆寡敵せず」の違い
「多勢に無勢」と「衆寡敵せず」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、人数の少ない方が不利であることを表現する言葉であることは同じですが、違いはどこにあるのでしょうか。
実質的にはこの2つの慣用句に意味の違いはありません。
しかし、実は大きな違いがあります。
それは、ほとんどの人は「衆寡敵せず」と言う慣用句を聞いたことすらないと言うことです。
したがって、この2つの意味が同じであること自体、理解している人はほとんどいないと言うことになります。
「多勢に無勢」の例文
・『この人数差では勝ち目はないと考えると、まさに「多勢に無勢」です』
・『「多勢に無勢」とは頻繁に使われる表現です』
「衆寡敵せず」の例文
・『「衆寡敵せず」と言う言葉を使う人たちは多くないため、「多勢に無勢」と言えます』
・『「衆寡敵せず」とは、人数の多少が勝敗に明確に影響しそうな場合に使われます』
まとめ
この記事では、「多勢に無勢」と「衆寡敵せず」の違いを、解説してきました。
このようにほぼ同じような意味を持っている複数の慣用句の例は、これ以外にもたくさんあります。
例えば、「寝耳に水」と「青天の霹靂」はその一つです。