この記事では、「栽培漁業」と「放流」の違いを分かりやすく説明していきます。
「栽培漁業」とは?
「栽培漁業」とは魚をある程度養殖してから自然に放つことで水産資源を増やし、継続的な漁獲量につなげるための漁業です。
魚は多くの卵を産みますが生まれたばかりの稚魚は自然の中で命を落としやすく、また様々な影響によって生存数も左右されるため安定して数が増えず、それが漁獲量の不安定さにも繋がります。
そこで命を落としやすい稚魚の時期を超えるまでを人の手で管理し、自衛能力が付いてから海に放つことで、自然な出産より魚を安定して多く生き残れるようにして水産資源を増やそうという試みが栽培漁業です。
「放流」とは?
「放流」とは水や魚を放ち流すことで、この場合は人の手元にいた魚を川や湖や海などの自然環境に放つことです。
これまで一般的に放流という場合、魚卵を管理された環境で安定して孵化させて、そうして産まれた稚魚を川や湖へと放つことを指していました。
しかしそれでは結局稚魚が自衛できず水産資源が増えないことから、ある程度育ってから川や湖へ放つ形の放流も行われています。
「栽培漁業」と「放流」の違い
「栽培漁業」と「放流」の違いを、分かりやすく解説します。
魚を手元である程度大きくなるまで育ててから自然に放つのが「栽培漁業」で、孵化した後の魚を自然に放つのが「放流」です。
「栽培漁業」では魚が自衛できるようになってから自然に放つことを放流と呼びますが、既存の一般的な「放流」は卵から孵化し稚魚になった時点で自然に放つのが基本になります。
まとめ
水産資源を増やすためにこれまでは魚卵だけを守って稚魚を自然に「放流」していましたが、それでは稚魚が他の魚に襲われたりなどで生存率はあまり良くありませんでした。
それを解決するために孵化だけでなく自分の身を守れるくらい成長するまで人の手で守ってから自然に放とうというのが「栽培漁業」です。
なので「栽培漁業」と「放流」の違いは、育ってから放つか稚魚の段階で放ってしまうかの違いになります。