頭の中で思うことを意味する言葉として「思慮」と「思考」があります。
2つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「思慮」と「思考」の違いを解説します。
「思慮」とは?
「思慮」とは、「深く考えをめぐらせること」を意味する言葉です。
「思慮」の使い方
頭の中で思い考えることのうち表面的に思うだけではなくいろいろな物事と関連させるように深く考える行為を指します。
「思慮」の「慮」には「おもんぱかる」という意味があります。
ある物事についてその物事だけで考えるのではなく関連する事柄や及ぼす影響など、派生する事情にまで考えを広げより深く考える行為を表す言葉が「思慮」です。
「思考」とは?
「思考」とは、「頭の中で考えること」を意味する言葉です。
「思考」の使い方
頭脳を働かせることを意味する言葉で一定の結論を導き出すため頭を使う行為全般を指します。
ロジカルなニュアンスを含む言葉であり本来は人間をはじめとする生物の頭脳の働きによって起きる考えや思いを指す言葉ですが、現在はコンピューターやAIなどプログラムに従って実行されるルーチンワークとしての演算処理に対しても「思考」という表現を使います。
「思慮」と「思考」の違い
「思慮」と「思考」の違いは「深さ」です。
考えるうちにどんどんと深く掘り進めていき思いを広げていく行為を「思慮」といい、一定の基準や判断に基づいて考えを進めていく行為を「思考」といいます。
「思慮」は心のゆらぎや感情など必ずしも合理的とはいえない要素を含む哲学的なニュアンスの言葉なのに対し「思考」には考えの始まりから終わりまでの道筋がはっきりしている合理的なニュアンスが含まれる、というのが「思慮」と「思考」の違いに当たります。
「思慮」の例文
・『思慮が浅いと注意された』
・『彼はとても思慮深い』
「思考」の例文
・『いい方法はないかと思考する』
・『思考の過程を説明する』
まとめ
「思慮」と「思考」は深さの違いで区別されます。
微妙な違いで使い分けられる表現なのでそれぞれの言葉が持つ独特のニュアンスをうまくつかんでおきましょう。