この記事では、「直接人件費」と「労務費」の違いを分かりやすく説明していきます。
「直接人件費」とは?
「直接人件費」とは製品やサービスを提供するのに直接必要となる人手にかかった費用です。
例えば飲食店はシェフが作った料理を客に提供することで収益を上げますが、このシェフや料理を運ぶフロアスタッフを雇うためのお金が直接人件費となります。
同じようにコンビニで物を売るための店員や、スポーツジムで指導するサービスを提供しているトレーナーなどの費用も直接人件費です。
基本的に業種や何を提供しているかは問いません。
「労務費」とは?
「労務費」とは製品や建物を作るための人手にかかった費用です。
製品の製造や建築といった工業では実際それを作るにあたって何にどれだけの費用をかけたかを計算する工業簿記という、普通のお店などとは違う簿記が使われています。
そしてその工業簿記で製品を作るための直接的な人手にかかったお金が労務費です。
一般的に人を雇うためのお金は人件費と呼ばれますが、工業簿記における人件費が労務費と言えるでしょう。
「直接人件費」と「労務費」の違い
「直接人件費」と「労務費」の違いを、分かりやすく解説します。
企業で収益を上げるための直接的な人手にかかる費用が「直接人件費」で、製造業や建築業で直接的に物や建物を作るための人手にかかった費用が「労務費」です。
「直接人件費」は商業簿記という比較的一般的な簿記における人件費であり、「労務費」は工業簿記という名前通り工業専用の簿記における人件費と言えます。
まとめ
「直接人件費」がいわゆる一般的に連想する人件費であり、「労務費」は製造や建築にかかる人件費と考えればいいでしょう。
正確に言えば「直接人件費」は商業簿記で取り扱い「労務費」は工業簿記で取り扱うという違いがあるので、簿記の種類によって人件費の呼び方が変わるだけとも言うことができます。