「蒙る」と「被る」の違いとは?分かりやすく解釈

「蒙る」と「被る」の違いとは?違い

この記事では、「蒙る」「被る」の違いや意味を分かりやすく説明していきます。

「蒙る」とは?

相手から徳となる恩恵を受けて、ありがたいと感謝する状態を表す言葉が「蒙る」【こうむる】です。

「特別の恩顧を蒙る」といえば、相手から自分だけが格別の情けをかけてもらったり、面倒見てもらえるようにしてくれる人のご好意に触れるという意味になります。

元々は、神仏の恩恵をありがたく我が身にいただき、感謝するという意味がある言葉です。


「被る」とは?

お世話になっている者の失敗を、自ら代わりとなって罰を受けることを「被る」【こうむる】といいます。

「親の借金を被る」といえば、すでに家から出ているというのに、子供であるため法律上返済する義務が生じて困るといった意味になるわけです。

このように、損害や罰を受けることを「被る」といい、酷く辛い目に遭った人の立場を表す言葉になります。


「蒙る」と「被る」の違い

ここでは「蒙る」「被る」の違いを、分かりやすく解説します。

仕事で活躍したり、失敗しても情けをかけてもらい、救い出してくれるといった恩恵を受けるのが「蒙る」です。

反対に、人から騙されて収入が減ったとか、他人の愚かな行為により自らに天罰が降りかかってくるという状況でも使われています。

もう一方の「被る」はやっていないのに、傍にいたというだけで損害を受ける悲惨な現実を意味するわけです。

「蒙る」の例文

・『展望台ができたのを機に、近所の店が恩顧を蒙った』
・『SNSで災害の悲惨な現状を伝えると、優しさ溢れる恩顧を蒙る』

「被る」の例文

・『村の金を持ち出した兄の代わりに、弟が酷い屈辱を被った』
・『架空の会社が上場すると何億ものお金を渡して大損害を被る』

まとめ

読み方が似ている言葉をご紹介しましたが、意味に少し違いがあります。

どういった状況で使えばいいか学び、自分が受けた恩恵や被害をうまく伝えてみましょう。

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