高校世界史の授業では必須、旧石器時代の文化を徹底解説!
この記事では、「アルタミラ」と「ラスコー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アルタミラ」とは?
スペインの誇る世界遺産の1つであり、旧石器時代にクロマニヨン人により描かれた洞窟壁画です。
温暖かつ湿潤なカンタブリア州の州都サンタンデールから車に1時間もかからない場所に存在。
正式名称は『アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術』になります。
1879年に地元の領主の子供が偶然発見。
翌年には学会に発表されるも認められず捏造論も出るほどでした。
1900年代になり、改めて旧石器時代のものと認定。
270mほどの洞窟に約18,500年前のソリュトレ期と16,500〜14,500年前のマドレーヌ期の人類史が混在したものです。
「ラスコー」とは?
フランス西南部ドルドーニュ県、ヴェゼール渓谷のモンティニャックの丘の上にある洞窟から発見された洞窟壁画になります。
1940年9月に地元の村の少年が偶然発見したものです。
約20,000年前のクロマニヨン人によって描かれました。
洞窟の長さは200mにしか過ぎませんが、多種多様な技法を使って天井まで描かれているのが特徴。
そしてその高さに絵を描くために様々な工夫をクロマニヨン人が施した事を知る事ができます。
絵を描くための明るさを求めたランプ、高い場所に絵を描くための足場なども遺物から確認されました。
「アルタミラ」と「ラスコー」の違い
「アルタミラ」と「ラスコー」の違いを、分かりやすく解説します。
ともに旧石器時代に描かれた洞窟壁画であり、前者はスペイン、後者はフランスに存在します。
描かれた時代に関しては「ラスコー」の方が古くその描かれた点数についても多いのが特徴だと言えるでしょう。
また「ラスコー」からは多くの遺物が出土しているのが特徴的。
前述したランプはもとより、壁画を彫るための彫刻刀や顔料、さらには彫刻物まで発見されています。
まとめ
世界で初めて発見された洞窟壁画として認定されているのが、スペインの「アルタミラ」です。
それから60年ほど遅れて発見されたのがフランスの「ラスコー」です。
世界遺産に認定されたのはラスコーの方が早く、壁画が描かれた年代も同様。
大きく違う点は「ラスコー」は遺物が多く出土しており、壁画を描くためのクロマニヨン人の工夫を知る事ができる点でしょう。
狭義にいえば世界遺産の「アルタミラ」は2008年に拡大され、スペインの他地域の旧石器時代の洞窟美術も追加されたものになりました。
このためアルタミラ国立博物館研究センターに展示されている遺物は「アルタミラ洞窟」のものだとは限りません。