この記事では、「義太夫」と「長唄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「義太夫」とは?
義太夫とは、江戸時代に竹本義太夫という人物によって始まった浄瑠璃の一種です。
義太夫節とも呼ばれており、義太夫を語る人のことを義太夫語りと呼んだりもします。
竹本義太夫は大阪の道頓堀に竹本座を開き、浄瑠璃の興行を行った人物です。
浄瑠璃の世界に多大な影響を与えました。
義太夫は、物語の筋や台詞に三味線の伴奏をつけて語る語り物と呼ばれるジャンルの芸能になります。
義太夫は、国の重要無形文化財にも指定されています。
「長唄」とは?
長唄は邦楽のうち三味線音楽の1つで、正しくは江戸長唄といいます。
唄を中心とする唄い物と呼ばれるジャンルで、三味線と唄で構成されています。
曲目によりお囃子がつくこともあります。
お囃子は太鼓や笛、小鼓、大鼓などで演奏するものです。
長唄は18世紀の初め頃に、歌舞伎の音楽として誕生しました。
その後、歌舞伎から離れ、長唄という独立した1つの音楽として確立されます。
現在は歌舞伎の音楽としても用いられますし、長唄として単独で演奏することもあります。
一人で唄うパートや全員で唄うパートがあり、三味線だけで演奏するパート等も存在します。
長唄はお稽古事として人気があり、演奏会等も開催されています。
「義太夫」と「長唄」の違い
義太夫も長唄も日本の伝統的な音楽である邦楽の一種で、三味線を使っていることは共通しています。
義太夫は台詞に三味線で節をつけており、語りがメインの芸能です。
それに対して長唄は、唄がメインになっています。
義太夫は語り物というジャンルに分類されますが、長唄は唄い物というジャンルに分類されます。
国の重要無形文化財に指定されているのは義太夫で、長唄はお稽古事として人気があります。
まとめ
義太夫は邦楽のうち語りがメインの語り物と呼ばれるジャンルの音楽ですが、長唄は唄がメインで唄い物と呼ばれるジャンルの音楽になります。