「捺印」と「拇印」は双方とも書類などに押す「はんこ」に関連する言葉ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「捺印」と「拇印」の違いを分かりやすく説明していきます。
「捺印」とは?
「捺印」は「署名捺印」を短縮した言葉で、「直筆の署名に加えて印鑑を押すこと」を示します。
なお、単純に印鑑を押す行為や、事前に名前が印字されている書類などに印鑑を押す行為については「押印」という言葉が使われます。
「拇印」とは?
「拇印」は「指先に朱肉などをつけて書類に指紋を残し、印鑑の代わりとすること」を指します。
一般的には親指が使われますが、人差し指が使用されるケースもあり、指印や爪版などと呼ばれる場合もあります。
「捺印」と「拇印」の違い
「捺印」と「拇印」の違いを分かりやすく解説します。
「捺印」は「署名捺印」を短縮した言葉で、「直筆の署名に加えて印鑑を押すこと」を意味します。
印鑑だけでなく本人による署名が加わることで、筆跡鑑定によって本人であることが証明できるという特徴があります。
このように「捺印」は証拠力が高いというメリットがあり、契約書などの重要な書類に印鑑を押す際に多くおこなわれています。
一方、「拇印」は「指先に朱肉などをつけて書類に指紋を残し、印鑑の代わりとすること」を示します。
ただし、印鑑の代用として「拇印」が使用できるケースとできないケースがあり、法令で押印する印鑑が規定されている場合は拇印の効力はないとされています。
ちなみに、役所の手続きにおいて「拇印」が印鑑の代わりとして使えるかどうかは、それぞれの自治体によって対応が異なるようです。
まとめ
「捺印」は「直筆の署名に加えて印鑑を押すこと」を示し、「拇印」は「指先に朱肉などをつけて書類に指紋を残し、印鑑の代わりにすること」を示します。
意味だけでなく、法的な効力にも違いがあることを留意しておきましょう。
ぜひ言葉の知識を深める参考にしてください。
