歴史の差は500年以上?
この記事では、「天台宗」と「日蓮宗」の違いを分かりやすく説明していきます。
「天台宗」とは?
いわゆる大乗仏教であり、日本の仏教はここから拡がったと言っても過言ではないでしょう。
鑑真が伝え、遣唐使から帰ってきた最澄により日本に広く伝播する事になりました。
妙法蓮華経を根本とするため天台法華宗とも呼ばれます。
滋賀県の比叡山延暦寺が現在の総本山になります。
「日蓮宗」とは?
イスラム原理主義という言葉がありますが、天台宗ひいては法華宗原理主義とも呼べるのが「日蓮宗」だと言えるでしょう。
開祖である日蓮が記した「立正安国論」から読み取れる様に他の仏教に対して排他的姿勢だったのは高校の授業で習った方も多いのではないでしょうか。
開祖は日蓮であり代表的な鎌倉仏教でもあります。
日蓮は元々得度後は多くの仏教に触れる機会を得ており、有名なのは比叡山延暦寺ですが、高野山などでも遊学。
その後鎌倉で活動を開始しました。
現在の総本山は山梨県身延町の身延山久遠寺になります。
「天台宗」と「日蓮宗」の違い
「天台宗」と「日蓮宗」の違いを、分かりやすく解説します。
基本的には両者ともに諸経の王である妙法蓮華経を根幹にしているのは間違いありません。
平安時代が約400年間続いたのは周知の事実。
歴史のなかで第3代世座主円仁は天台浄土教や密教を取り入れていきました。
日蓮の生まれたのは鎌倉時代の1222年。
得度出家後に、400年以上の時間の経過で天台宗では法華教の原典が薄れたと判断し、原点回帰したのが「日蓮宗」だと言っていいでしょう。
また「天台宗」は天台大師を教祖とし、「日蓮宗」は開祖が入滅前に遺した言葉から釈迦の生まれ変わりの御本尊を尊えていると言えます。
まとめ
「天台宗」は鑑真が伝えて最澄が広めた仏教でその始まりは古いと言えます。
最澄が遣唐使から帰国後に広まったもの原点は当然中国であり、妙法蓮華経が原典です。
「日蓮宗」は「天台宗」が広まってから400年以上経過した鎌倉時代に日蓮が開祖としてはじまったいわゆる鎌倉仏教の1つです。
日蓮自体は比叡山延暦寺や高野山などで遊学を行っており、そのベースが「天台宗」にあるのは間違いありません。
時間経過で薄れていった法華経の原理についてより迫ったのが特徴だと言えるでしょう。