「受遺者」と「受贈者」はどちらも受け取る人を表す言葉ですが、それぞれ何を受け取る人のことなのでしょうか。
今回は、「受遺者」と「受贈者」の違いを解説します。
「受遺者」とは?
「受遺者」とは、「遺言で指名され遺産を受け取る人」を指す言葉です。
「受遺者」の使い方
故人が残した遺言に従い指名した人に遺産を譲り渡すことことを「遺贈」といいます。
遺贈の対象となり遺産を譲り受ける人を表す言葉が「受遺者」です。
一般的には故人から遺産を譲り受けた相続人全てを表しますが、狭義では法定相続人以外で遺言の指名により遺贈を受ける遺産相続者を表します。
「受贈者」とは?
「受贈者」とは、「贈与を受ける人」を指す言葉です。
「受贈者」の使い方
自分が保有する財産の一部を相手に対して譲り渡す行為を「贈与」といいます。
贈与は無償で財産を譲り渡す行為を表す言葉で対価を引き換えにする場合は贈与に当たりません。
無条件であげるお小遣いは贈与ですがお使いに行ったご褒美であげるお駄賃は贈与ではなく報酬です。
贈与において財産を譲り渡す者を「贈与者」といい財産を譲り受ける者を「受贈者」といいます。
「受遺者」と「受贈者」の違い
「受遺者」と「受贈者」の違いは「贈られるもの」です。
どちらも一方的に贈られる財産を受け取る人を表す言葉ですが贈られるものの内容が異なります。
亡くなった人の残した遺言の指名により遺贈される遺産を受け取るのが「受遺者」で、生きている人から贈与される財産を受け取るのが「受贈者」という違いです。
相続は財産の所有者が亡くなってから行われますが贈与は生きている間に行うので「受遺者」は死んでいる人の財産を受け取る人「受贈者」は生きている人の財産を受け取る人という区別も成り立ちます。
「受遺者」の例文
・『受遺者に指名される』
・『受遺者として大切に財産を守る』
「受贈者」の例文
・『振込履歴が受贈者の証明である』
・『受贈者として受取書にサインする』
まとめ
「受遺者」と「受贈者」は受け取るものの内容が異なります。
明確な違いで区別されるので覚えておきましょう。