この記事では、「石膏」と「セメント」の違いを分かりやすく説明していきます。
「石膏」とは?
「石膏」とは、硫酸カルシウムが主な成分の鉱物のことを指します。
歴史は古く、古代エジプトのピラミッドにも用いられていた「石膏」。
古代ギリシャやローマでは、建築の材料だけでなく、彫塑や型取りなど造形材料にも使用されていたことがわかっています。
「石膏」は水と合わせることで固まる性質があり、火にも強い点が特徴です。
水と反応すれば、数分程度で硬化することが可能です。
そのため、「石膏」は、建築の材料だけでなく、美術工芸品や医療、医薬など幅広く用いられています。
例えば、建築材料としては、「石膏ボード」。
医薬・医療製品としては、骨折した際に使用するギプス。
歯型を造る義歯成型材などがあります。
「セメント」とは?
「セメント」の材料は石灰岩です。
石灰岩を粉砕し石灰にしたものを使用していることから、 「セメント」の主成分は炭酸カルシウムになります。
水と合わせることで固まる性質を持ち、火にも非常に強い「セメント」。
ただし、水と合わせ固まるまでには数時間を必要とします。
そのほとんどが、コンクリートの材料として使用されています。
一言で、「セメント」と言っても、「ポルトランドセメント」「混合セメント」「特殊セメント」の3つに分かれます。
この中でも主に「ポルトランドセメント」が有名です。
「石膏」と「セメント」の違い
「石膏」も「セメント」も水を加えることで固まる点と火に強い点が同じです。
ただし、水を加えた際に固まるまでに必要とする時間には違いがあり、「石膏」は数分程度で固まることができる一方、「セメント」を固めるには数時間も必要になります。
このように、固まるまでの時間に大きな差があります。
また、主成分にも違いがあり、「石膏」の主成分は硫酸カルシウム。
「セメント」の主成分は炭酸カルシウムになります。
用途にも違いがあり、「石膏」が建築から医療現場までと幅広く用いられているのに比べ、「セメント」は主に建築現場のみとなります。
まとめ
「石膏」と「セメント」には以上のような違いがあります。