近年はよりソフトなタイプが人気!
この記事では、「吊るし柿」と「干し柿」の違いを分かりやすく説明していきます。
「吊るし柿」とは?
晩秋から初冬にかけての干し柿の産地での一つの風物詩。
名物化してその光景を写真におさめる観光客も多く見られます。
柿の産地だからといって「吊るし柿」が必ずしも見られる訳ではありません。
「干し柿」の産地で見られる事が多いと言えるでしょう。
その理由は「吊るし柿」は「干し柿」作りの工程の一つだからです。
ヘタの部分を残して皮を剥き、ヘタの枝と柄を紐で連結。
1本の紐で5〜6個ほどのものを民家の軒下で吊して乾燥させます。
この状態のものを「吊るし柿」と言います。
当然ながら乾燥、からっ風の吹く地域の風物詩で甲信越地方でポピュラーなのは間違いありません。
ただし家庭で「干し柿」を作る場合にこの工程はほぼ行うため、少量のものは自身の近所で見掛ける事もあるでしょう。
「干し柿」とは?
近年はスーパーフードとして再注目されているのが「干し柿」です。
柿ポリフェノールが多く含まれており、自然の優しい甘さと独特の食感が人気を呼んでいます。
柿の産地だからと言って「干し柿」の産地だとは限りません。
基本的には小型品種の渋柿が獲れる地域、かつ乾燥させやすい気候、風の強い地域に多く名産地が集まっていると言えるでしょう。
近年では大量生産用に吊して自然乾燥させずに人工乾燥させる方法も広まりつつあります。
特に冷凍と解凍を繰り返す方法は「人工干し柿」弱点である硬さを取り除く手法として使われる様になりました。
「吊るし柿」と「干し柿」の違い
「吊るし柿」と「干し柿」の違いを、分かりやすく解説します。
一般的には「吊るし柿」=「干し柿」は同義語です。
厳密には製造過程であり、干した当初の柿は“干された柿”であり、「干し柿」ではないため食べれません。
これは乾燥させる過程で渋が抜けていくためです。
「吊るし柿」が秋の風物詩になっている地域では名産品であり、市田柿の様に高級ブランド品として確立されている地域では今後も失われる事がないと言えるでしょう。
まとめ
「吊るし柿」は「干し柿」の製造工程の一つであり、「干し柿」と同義語として使われます。
厳密には「吊るし柿」は渋を抜く役割を担っているため、10日ほど干して渋が抜けるまでは食べれません。
もっとも近年ではソフトタイプが人気のため、ある程度水分含水率の高い状態で出荷される事も多くなりました。