エスニックブームで浸透した2つの調味料の違いとは?
この記事では、「ニョクマム」と「ナンプラー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ニョクマム」とは?
ベトナムで使われる代表的な調味料であり、魚醤の一種として有名。
日本ではバブル経済末期のエスニック料理ブームや海外情報番組でその名を知られる様になりました。
イワシ類をはじめとしたベトナムで獲れる小魚と塩を漬け込んで半年から1年程度熟成させたものです。
醤油に似た味と表現されるとともに日本を代表する魚醤「いしる」や「しょっつる」と度々比較される事も多いと言えるでしょう。
もっとも低級のものはいわゆる“くさや液”と同格の臭気を放つのは、あまり知られていません。
「ナンプラー」とは?
前述のバブル期末頃のエスニック料理ブームでその名前を知られた調味料の1つと言っていいでしょう。
タイ王国を代表する調味料として有名です。
魚醤として「ニョクマム」や「しょっつる」と比較される機会も極めて多いと言えます。
「ニョクマム」と「ナンプラー」の違い
「ニョクマム」と「ナンプラー」の違いを、分かりやすく解説します。
「ニョクマム」はベトナムの家庭の味であり、家庭の数だけ味が存在すると言われるほど。
それに対して「ナンプラー」は家庭では作らずに食品メーカーが製造したものがほとんどだと言えるでしょう。
また「ナンプラー」の歴史は浅く「ニョクマム」はもとより「しょっつる」や「いしる」にも及びません。
1922年に中国広東省の潮州市から移住してきた華僑がタイ人向けの魚醤として作ったのがそのはじまりとなります。
それまではタイ中部ではベトナムから輸入された「ニョクマム」が使われていたとされます。
また製造過程では「ニョクマム」の方が熟成期間が短いのが特徴的だと言っていいでしょう。
ほぼ1年内に熟成が完了。
一方の「ナンプラー」は1年から1年半が熟成期間になり、仕上げの段階で砂糖を加えるのも大きな違いと言えるでしょう。
また「ナンプラー」は二級品、三級品にも酢酸やアミノ酸を添加しますが、「ニョクマム」は基本的に濾過がメインで手を加えないのも違う点です。
まとめ
「ニョクマム」はベトナム発祥の魚醤であり、1700年代末に歴史にその名を現しました。
「ナンプラー」はタイ王国生まれの魚醤で華僑が1922年にタイ人向けに産み出したのが始まりとされています。
また「ニョクマム」はベトナム一般家庭で作られる家庭の味の1つです。
「ナンプラー」は前述した通りに最初から商品として産み出されており、家庭で作られる事はありません。