辛くないのにとうがらし?
この記事では、「伏見とうがらし」と「万願寺とうがらし」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伏見とうがらし」とは?
京都の伝統野菜37品目、そしてブランド産品として知られるのが「伏見とうがらし」です。
同じ伝統野菜の「田中とうがらし」がししとうタイプなのに対して本品種は“ひもとう”と呼ばれる細長いフォルムが特徴だと言っていいでしょう。
正式名称は「伏見甘長とうがらし」といい、とうがらしと言いながらもその実辛みのあるものは存在しません。
どちらかといえばピーマンに近く、推奨の食べ方も肉と合わせたものが多くなります。
伝統野菜ですが、ブランド産品の指定も受けており、京都市内なら何処でも買える入手しやすさも魅力でしょう。
「万願寺とうがらし」とは?
江戸時代より栽培されていた「伏見とうがらし」と米国産の外来種「カリフォルニア・ワンダー」を交配させたもので大正末期から昭和初期から生産される事になりました。
両品種の特徴、伏見系とうがらしの持つ細長い大きさとピーマンであるカリフォルニア・ワンダーの良質な肉厚の部分が発現したものです。
親系が辛みを持ち合わせていないため、本種も全く辛みがなく、とうがらしですが甘みを感じるのが特徴です。
「伏見とうがらし」と「万願寺とうがらし」の違い
「伏見とうがらし」と「万願寺とうがらし」の違いを、分かりやすく解説します。
前者は既に江戸時代元禄時代の頃には京都で栽培されていた文献が残る在来種だと言っていいでしょう。
京都の伝統野菜かつブランド産品として知名度の高さは見逃せません。
後者は「伏見とうがらし」に「カリフォルニア・ワンダー」大型のピーマンを交配させて誕生した新種です。
大正末期から昭和初期に誕生した新しい品種のため、まだ生誕100年を迎えていません。
大型肉厚品種のピーマンとの掛け合わせゆえに、前者の持つフォルムそのままに肉厚化したものだと言っていいでしょう。
その歴史の浅さゆえに京都の伝統野菜に準ずる3品目に組み込まれていますが、京都のブランド産品である事は疑う余地がないでしょう。
まとめ
「伏見とうがらし」は江戸時代元禄文化の頃には京都で栽培されていた伝統野菜37品目の1つです。
細長く辛くないのが特徴。
「万願寺とうがらし」はそれに米国産のピーマンを掛け合わせたものになります。
父系のとうがらしのフォルムを受け継ぎ、母系の肉厚な果肉を継承。
「とうがらしの王様」と評価されるほどです。
誕生の経緯に加えて、まだ生まれてから100年に満たないため、京都の伝統野菜ではありません。
準ずるもの扱いにはなりますが、安定した生産量とブランド力から京都のブランド産品として指定は受けています。