この記事では、「シニフィアン」と「シニフィエ」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「シニフィアン」とは?
言葉を文字にしたり、声で読むことを「シニフィアン」といいます。
例えば、「山」という漢字であれば「やま」と読み、語が持つ人間が感じる側面を表すのです。
他にも「のり」という言葉を見ただけでは食べる海苔なのか、文房具の糊であるかが理解できませんが、発音の仕方によってはどちらを指しているかが分かります。
意味としては現在分詞形であり、「指すもの」といった意味で使う言葉です。
「シニフィエ」とは?
自分が目にした文字や耳にした音声からどのようなものか頭の中で想像するものを「シニフィエ」といいます。
それがどのようなものか意味について考えることを指すのです。
例えば、「山」と聞いたときは色々な種類の野生動物が生息しているとか、雨水を浄化して川に流す、標高が高いといった意味や概念を指します。
言葉の意味としては「指されるもの」であり、動詞を過去分詞形として表すわけです。
「シニフィアン」と「シニフィエ」の違い
「シニフィアン」と「シニフィエ」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらも近代言語学を得意とするフェルディナン・ド・ソシュールが世の中に広めた言葉であり、2つを合わせたものを記号といった意味がある「シーニュ」で表します。
この2つの言葉をあえて分けた「シニフィアン」は音声で分かる物の形や色を想像したり、文字を見て具体的に何かを発想するのです。
この「シニフィアン」の意味は「表すもの」ですが、「シニフィエ」は「表されているもの」といった意味になるといった違いもあります。
「シニフィアン」の例文
・『漢字の形だけで書いてある意味を理解できるのがシニフィアンである』
・『記号を表現するシニフィアンは、ルビで想像するのが一般的だ』
「シニフィエ」の例文
・『フランス人よりも2つのシニフィエを発想できるのが日本人だ』
・『ラジオから流れてくるDJの言葉だけでシニフィエに酔いしれる』
まとめ
同じ言語学者が論じた言葉を2つご紹介しましたが、意味や使い方が異なります。
もう少し言葉の意味について調べてから、うまく使い分けてみましょう。