1/20の格差が広がるばかり?
この記事では、「長江」と「黄河」の違いを分かりやすく説明していきます。
「長江」とは?
別名の揚子江としても知られる大河だと言っていいでしょう。
世界3位の長さを誇り、当然ながらアジア・ユーラシア圏では最長を誇ります。
その広大な風景は写真のない時代から山水画として多く残されてきました。
また近年では文明の形跡が多々見つかったため「長江文明」なる言葉が成立。
「黄河文明」に劣らず栄えていた事が証明されています。
「黄河」とは?
古くから中流、下流にあたる国は大いなる河の水恵を受けていたのは黄河文明からも明らかでしょう。
河の長さは5,464kmでアジア3位、世界でも6番目の長さを誇ります。
しかし名前から推測されるとおり、水量と比較しての土砂含水率が高い事で有名。
黄砂の発生源黄土高原を通過して降ってくるため、既に上流域から水は黄色がかっています。
1960年代からその水量の少なさが問題視されており、様々な方策が取られてきました。
しかしそれを上回る勢いで上流域での干ばつが進行している現状があります。
「長江」と「黄河」の違い
「長江」と「黄河」の違いを、分かりやすく解説します。
単純にいえば秦嶺・淮河線で分割されるため、全く違った生活様式が両者の流域で古代より営まれてきました。
小麦文化・畑作、米文化・稲作などで大別される事が可能でしょう。
河川としての最大の違いはその水量だと言っていいはずです。
長江流域は上流から下流まで湿潤な地域であるため水量が豊富。
長江の豊富な水をトンネルで黄河に流す“南水北調”計画が古くは毛沢東時代から計画されていました。
黄河はその長さは長江の9割近くあるもの、水量に関しては1/20しかないのが現状です。
両者ともに上流域で干ばつが近年は続いていますが、水量の少ない黄河でより深刻化していると言っていいでしょう。
またそれは悪循環に繋がり、交通手段や運搬手段としての両者の能力格差も生み出しています。
長江は三峡ダムの建設により1万トンクラスの船が上流の経済都市である重慶中心部まで進出可能になりました。
一方で黄河は交通・物流路としては年々衰退する一方です。
まとめ
「長江」流域は発展の一途を辿っています。
世界3位の川の長さに加えて豊富な水量は流域に住む人々に大きな恩恵をこれからも与え続ける事でしょう。
「黄河」は中国で2番目に長い川ながらも水量では4番目。
既に1960年代から長江の水をトンネルで黄河に流す計画が建てられていたほどです。
現在は両者ともに上流域での干ばつが問題化、より黄河は深刻だと言えるでしょう。