この記事では、「グラウト」と「モルタル」の違いを分かりやすく説明していきます。
「グラウト」とは?
「グラウト」とは、主に建設工事において、空洞や隙間を埋めるために専用の材料を注入する工種、及びその液体の事を指します。
「グラウト」に使われる材料は、後述する「モルタル」を始め、セメント、ガラス系合成樹脂などが使われ、用途は多岐に渡ります。
例えば、トンネル掘削時の隙間充填、地盤改良、ダム建設時の割れ目充填などさまざまな用途や工法が存在しています。
しかし、過去には「グラウト」が原因による大規模な汚染事故も発生しており、注入剤の地下水への流入、埋設物の破損等に十分注意しながらの施工が必要になってきます。
「モルタル」とは?
「モルタル」とは、砂とセメント、水を練って作られる建設用の材料です。
一般的にセメントと砂を1:2から1:3程度の割合でよく混ぜ、コンクリート壁の表面仕上や、目地、補修等に用いられます。
「モルタル」は骨材を入れないペースト状の材料で、温度変化による収縮が起きやすい性質なので、専門の知識と技術を持った職人が扱います。
この職人は「左官職人」と呼ばれ、さまざまな建築現場で活躍しています。
「モルタル」には使用する場所や用途によっていくつかの種類があり、場合によって高価なものもあります。
「グラウト」と「モルタル」の違い
「グラウト」と「モルタル」は、上述したように違うものです。
「グラウト」は、建築工事における工法及び材料の総称であり、その「グラウト」で用いられる材料のひとつに「モルタル」があるということになります。
「グラウト」で使われる材料は「モルタル」以外にもガラス系材料や合成樹脂もあるので、「グラウト」で使われる材料がすべて「モルタル」というわけではありません。
まとめ
「グラウト」と「モルタル」の違いは以上のようなものになります。
「グラウト」は別名「薬液注入」とも呼ばれ、崩壊しやすい地盤に特殊な薬剤を注入し、地盤を固めて掘削工事をしやすくするという工法も存在します。
私たちが暮らしている家や建物、土地などは「モルタル」が使われ、場合によっては「グラウト」で補強されているという事を知っておくとよいかもしれません。