同属なのに扱いは王様と下僕?
この記事では、「ごまふぐ」と「とらふぐ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ごまふぐ」とは?
トラフグ属に属する25種類のうちの1種類です。
主に太平洋側北東及び日本海側に広く生息していますが、近年「しょうさいふぐ」との混血種に関する毒の情報が注意喚起がされたのは記憶に新しいところでしょう。
中型種であり名前の由来は背中の胡麻状の斑点からになります。
初夏が旬であり、その身は水っぽい事から干物に使われる事も多いと言えるでしょう。
石川県白山市の卵巣の糠漬けによるテトロドトキシン無効化は珍味として有名。
その他新潟県佐渡島や福井県でも酒粕で解毒した卵巣が珍味として製造されています。
「とらふぐ」とは?
ふぐの王様と呼ばれるほどの80センチ前後のサイズになる大型種です。
しかしながら王様と呼ばれる理由はそのサイズではなく食味の良さにあると言っていいでしょう。
てっさ、てっちり、唐揚げなど王道の食べ方が適しています。
天然ものの旬は真冬ですが、養殖がさかんに行われており、一定レベル以上のものはほぼいつでも食べる事が可能です。
外観、味、世間一般的な人の抱くふぐのイメージは「とらふぐ」だと言っていいでしょう。
「ごまふぐ」と「とらふぐ」の違い
「ごまふぐ」と「とらふぐ」の違いを、分かりやすく解説します。
「ごまふぐ」の旬は初夏、「とらふぐ」の旬は真冬。
この2点だけでも大きな違いがあると言えるでしょう。
サイズも前者が中型種なのに対して後者は大型種であり、生体時には大凡倍サイズになります。
食味の違いも特徴的で「ごまふぐ」の身は水分が多め。
このため干物などの加工品に使われる事が多いといえるでしょう。
その代表格といえるのが北陸地方広域で作られるふぐの卵巣の糠漬けや酒粕漬けです。
塩漬け後に糠や酒粕に数年漬ける事でテトロドトキシンが抜ける仕組みは未だに科学的にも完全には解明されていない謎です。
一方の「とらふぐ」の食味の良さや食感はふぐという魚種をイメージさせるものになるほど。
それ故に養殖が行われていると言ってよく、てっさやてっちり、唐揚げなど王道の食べ方が適しています。
まとめ
「ごまふぐ」はトラフグ属の中型種で背中の胡麻模様が印象的。
太平洋北東から日本海側と広域に生息しています。
「とらふぐ」は同属の大型種類でサイズはごまふぐの倍の80センチにもなります。
北海道以南の広域に生息している事に加え、その食味の良さから養殖もされているため見る機会の多い品種だと言えるでしょう。
前者は同属ながらも旬は初夏であり、その身は水っぽく加工品に使用されたり、北陸地方では卵巣の糠漬けや酒粕漬けが珍味として珍重されています。
後者はふぐの王様と呼ばれるほどの淡泊かつ雑味のない食味と独特の食感で有名。
同種がふぐのテンプレートのイメージを作りあげていると言って過言ではありません。